ADVERTISEMENT

厳粛で、柔らかな作法

2015年2月7日 森 直人 おみおくりの作法 ★★★★★ ★★★★★

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • ツイート
  • シェア
おみおくりの作法

西洋版『おくりびと』!? というのもある程度間違っていないのだが、もっと抑制されたマナー&トーン。死の側から生を見つめる物語として、極めて良質の一本だ。

語り口は平易なのだが、色彩設計の細やかさが尋常ではなく、詩情がカラダに染みる感じ。U・パゾリーニ監督は「視覚的に小津安二郎の晩年の作品を参考にした」と語っているが(確かに何度も『秋刀魚の味』を思い出した)、孤独な中年男のストーンフェイスを基軸にゆっくり転がしていくオフビートな喜劇調は、むしろ小津チルドレンの最優秀者の一人、アキ・カウリスマキに近いと思う。

ラストシーンは、ハマればでかい。孤独死や無縁社会という乾いた言葉を潤す力がある。

森 直人

森 直人

略歴:映画評論家、ライター。1971年和歌山生まれ。著書に『シネマ・ガレージ~廃墟のなかの子供たち~』(フィルムアート社)、編著に『21世紀/シネマX』『シネ・アーティスト伝説』『日本発 映画ゼロ世代』(フィルムアート社)『ゼロ年代+の映画』(河出書房新社)ほか。「週刊文春」「朝日新聞」「キネマ旬報」「メンズノンノ」「Numero TOKYO 」などでも定期的に執筆中。※illustrated by トチハラユミ画伯。

近況:YouTubeチャンネル『活弁シネマ倶楽部』でMC担当中。5月11日より、川和田恵真監督(『マイスモールランド』)の回を配信中。ほか、東盛あいか監督(『ばちらぬん』)、長久允監督(『DEATH DAYS』)、松居大悟監督(『ちょっと思い出しただけ』)、舩橋淳監督(『ある職場』)、犬童一心監督(『名付けようのない踊り』)、片山慎三監督(『さがす』)、二宮健監督(『真夜中乙女戦争』)、原一男監督&小林佐智子プロデューサー(『水俣曼荼羅』)、前田聖来監督(『幕が下りたら会いましょう』)、松浦祐也さん&カトウシンスケさん(『ONODA 一万夜を越えて』)、首藤凜監督(『ひらいて』)、大石規湖監督(『fOUL』)、𠮷田恵輔監督(『空白』)、春本雄二郎監督(『由宇子の天秤』)、ウエダアツシ監督(『うみべの女の子』)、沖田修一監督(『子供はわかってあげない』)、内山雄人監督(『パンケーキを毒見する』)等々を配信中。アーカイブ動画は全ていつでも観れます。

サイト: https://morinao.blog.so-net.ne.jp/

森 直人さんの最近の映画短評

もっと見る

ADVERTISEMENT