いろんな意味で一線を超えている

どこかキャッチーなタイトルから想像もつかない不穏な空気が流れるなか、淡々と進んでいくストーリー。『ザ・マスター』にも似たデュポンとシュルツ(弟)の関係性、『薄氷の殺人』にも似た低温感であることから、明らかに観る側の体調や環境によって、捉え方が変わるタイプの作品なので要注意! 作品を観たシュルツ(弟)は「監督は一線を超えてしまった」とコメントを残したが、俳優たちも違う意味で一線を越えており、いつもと違うしかめっ面、アホ面、ヒゲ面には終始圧倒させられっぱなし。そして、デュポンのマネージャー役で登場するアンソニー・マイケル・ホール。彼の変貌にいちばん驚く、または気づかない人も多いはず。