ふたたび前進するために立ち止まる三木孝浩の脱青春アイドル映画

2015年2月27日 清水 節 くちびるに歌を ★★★★★ ★★★★★

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くちびるに歌を

『陽だまりの彼女』で上野樹里の感性演技を封印し、『ホットロード』では能年玲奈に陰りを加えた三木孝浩監督は、新垣結衣から笑顔を奪い去った。屈託がないように見える少年少女も、小さな心に傷を負っている。“現代版『二十四の瞳』”のガッキー先生は、生徒と一緒に泣いてあげることはなく、彼らの事情に立ち入ろうともせず、ただ寄り添う。そして祈りの島・五島列島のやさしい風と共に、彼らをそっと包む。皆の心を解き放つのは、音楽。悲しみに打ちひしがれた者たちが、歌の力によって希望を取り戻し、一歩前へと歩み出す。三木孝浩の脱・青春アイドル映画は、ふたたび前進するために立ち止まり、生きていく喜びを確かめる珠玉の抒情詩だ。

清水 節

清水 節

略歴:映画評論家・クリエイティブディレクター●映画.com、シネマトゥデイ、FLIX●「PREMIERE」「STARLOG」等で執筆・執筆、「Dramatic!」編集長、海外TVシリーズ「GALACTICA/ギャラクティカ」DVD企画制作●著書に「いつかギラギラする日 角川春樹の映画革命」「新潮新書 スター・ウォーズ学」●WOWOW「ノンフィクションW 撮影監督ハリー三村のヒロシマ」企画・構成・取材で国際エミー賞、ギャラクシー賞、民放連最優秀賞 受賞

近況:●円谷プロ「ULTRAMAN ARCHIVES」クリエイティブディレクター●「シド・ミード展」未来会議ブレーン、図録寄稿●ニッポン放送「八木亜希子LOVE&MELODY」

サイト: http://eiga.com/extra/shimizu/

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