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トラブゾン狂騒曲 小さな村の大きなゴミ騒動 (2012):映画短評

トラブゾン狂騒曲 小さな村の大きなゴミ騒動 (2012)

2013年8月17日公開 98分

トラブゾン狂騒曲 小さな村の大きなゴミ騒動
中山 治美

トルコではゴミ処理場の汚水が海に垂れ流し

中山 治美 評価: ★★★★★ ★★★★★

 スクリーンで起こっている事件を見ながら、「どこぞの国と一緒やん」と苦笑が止まらないだろう。住民無視で進められるゴミ処理場施設の建設。住民が腐臭を訴えれば香水をばらまいて誤摩化し、抗議活動をする者は警察を使って排除。挙げ句、建設の不当を主張した市長に対し、「国益を損ねている」と国が訴える始末。沖縄・高江のヘリパッド建設反対運動を行う住民を追ったドキュメンタリー『標的の村』で起こっている事とまんま一緒。圧政も、地方都市にしわ寄せが行く構図も、世界各国変わらない。
 『ソウル・キッチン』などで知られるファティ・アキン監督は、祖父母の故郷で起こっている現実にいてもたってもいられずカメラを回したという。現地の写真家に協力をあおいで撮られた映像は、大雨で汚水槽が溢れて村や海を汚染する衝撃的な場面も写し出す。ゴミ処理場担当者いわく「地球がなんとかしてくれる」。放射能汚染水同様、これは、私たちの生活を脅かす問題なのだ。

この短評にはネタバレを含んでいます
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