狂気の時代にこそぶれない外交が大事のようです

ベルリンが壊滅状態にあるのにパリが美しいままなのは許せん、と爆破命令を出すのはヒトラーが常軌を逸した証拠。命令に背きたいけれど家族が犠牲に……というジレンマに陥ったドイツ人将軍とスウェーデン総領事の丁々発止のやりとりを軸に進行する物語は、舞台の映画化らしく台詞ヘビー。会話を追うだけでかなり疲れるのは事実だが、きちんとした信条や守るべきものを大事にする男たちの心理的な駆け引きは見応えあり。敗北が決まった側にはある種の逃げ道を用意するスマートな外交手腕やぶれない姿勢が大事と感動した。でも、先日ISが美術館の収蔵物や文化財を破壊する映像を見て、狂気が言い訳の蛮行許すまじと思ったのも事実です。