この“試合”の最大のポイントは、沈黙が流れる瞬間

2015年3月17日 轟 夕起夫 パリよ、永遠に ★★★★★ ★★★★★

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パリよ、永遠に

 ヒトラーの爆破指令を受け、パリの命運握るドイツの将軍と、それを翻意させようとする中立国スウェーデンの総領事、一夜の対話劇。ヒット&アウェイからインファイトへと持ち込む“言葉のボクシング戦”だが、会話が途切れ、二人の間に沈黙が流れる瞬間もスリリングだ。つまり、総領事が部屋を出されるか留まるかが、この“試合”の最大のポイントとなる。シュレンドルフ監督の演出はやや平板なところも見受けられるものの、外交(←これが原題)とは決してキレイごとではないという、苦いリアリズムも含んだ一編で、また、食べ物が人物キャラを伝え、作劇を巧みに転がす“フード理論”に沿って眺めても面白い(本作では口に入る薬も!)。

轟 夕起夫

轟 夕起夫

略歴:文筆稼業。1963年東京都生まれ。「キネマ旬報」「映画秘宝」「週刊SPA!」「クイック・ジャパン」「ケトル」「DVD&ブルーレイでーた」などで執筆中。著書に「轟夕起夫の 映画あばれ火祭り」(河出書房新社)、編著に「清/順/映/画」(ワイズ出版)、「好き勝手 夏木陽介 スタアの時代」(講談社)など。

近況:取材・構成を担当した『伝説の映画美術監督たち×種田陽平』がスペースシャワーブックスより発売中。またもやボチボチと。よろしくお願いいたします。

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