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いつか、また (2014):映画短評

いつか、また (2014)

2015年4月11日公開 104分

いつか、また
(C) 2014 LAUREL FILMS COMPANY LIMITED

ライター2人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 5

ミルクマン斉藤

小林武史の音楽がF.ド・ルーベのようだ。

ミルクマン斉藤 評価: ★★★★★ ★★★★★

中国映画の範疇にとどまらず、ちょっと新しい感覚のコメディ映画誕生だ。しかも映画人でなく、マルチタレント的人物の手によるものというから恐れ入る。この世にはもう何もいいことなんてないような、ちょっとシラケ世代的ともいえるオトコ3人の、いささかニューシネマ的に索漠としたロード・ムーヴィ。インド国境の茫漠とした荒地に寂しく墜ちたロケットの弾頭で締めくくるブッとんだセンスが素晴らしい。決して予定調和的には進行しないよ、と見せつつ、因があれば必ず果がある細かな笑いの設定も巧みで、男どもに対して女性がみな逞しく、かつ可愛いのもいい。途中で不意に現れて場をさらうジャ・ジャンクーの名演(!?)もお楽しみに。

この短評にはネタバレを含んでいます
くれい響

中国映画のイメージを覆す、愛おしいロードムービー

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

閉塞感が強い中国映画のイメージを裏切る、最東端の島の若者が大陸横断の旅に出る設定は、まさにアメリカン・ニューシネマ。また、3人の男のダメっぷりは山下敦弘監督作のキャラのようで、邦題と真逆の「次はもうない」という原題や、語り部が早々フェイドアウトする展開など、シニカルな笑いが心地よい。派手さはないが、初監督となる80後(1980年代生まれ)を代表するイケメン作家(&レーサー)ハン・ハンのセンスは尋常じゃなく、反体制派の彼ならではのセリフや挑戦的なカット、小林武史を起用した音楽(もちろん岩井俊二風)など、すべてが印象的。『ファンダンゴ』のように「また、会いたい」と思わせる愛おしいロードムービーだ。

この短評にはネタバレを含んでいます
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