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軽やかな河瀬直美と、極上の永瀬正敏。

2015年6月5日 森 直人 あん ★★★★★ ★★★★★

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あん

いい具合に肩の力が抜けていて驚いた。樹木希林×永瀬正敏という名優2人の円熟したやり取りや、どら焼き屋に集まる客の女子中学生たちの会話から醸し出されるふわっとしたユーモア。この軽やかさ、河瀬直美監督としては結構意外。

重いテーマを扱いつつ、良質の小話的骨格を持つドリアン助川の原作が風通しを良くしたのか。自身のコアを煮詰めた感のあった『2つ目の窓』の濃厚さとは対照的。後半は観念性や脇の記号的な役作り等が気になったが、前半の日常描写にすっかり魅せられてしまった。

特に永瀬正敏は絶品。昔だったら高倉健が演じていたような「不器用な男」を、現代的な柔らかさで体現する。彼、新たな黄金期に入ってると思う。

森 直人

森 直人

略歴:映画評論家、ライター。1971年和歌山生まれ。著書に『シネマ・ガレージ~廃墟のなかの子供たち~』(フィルムアート社)、編著に『21世紀/シネマX』『シネ・アーティスト伝説』『日本発 映画ゼロ世代』(フィルムアート社)『ゼロ年代+の映画』(河出書房新社)ほか。「週刊文春」「朝日新聞」「キネマ旬報」「メンズノンノ」「Numero TOKYO 」などでも定期的に執筆中。※illustrated by トチハラユミ画伯。

近況:YouTubeチャンネル『活弁シネマ倶楽部』でMC担当中。5月11日より、川和田恵真監督(『マイスモールランド』)の回を配信中。ほか、東盛あいか監督(『ばちらぬん』)、長久允監督(『DEATH DAYS』)、松居大悟監督(『ちょっと思い出しただけ』)、舩橋淳監督(『ある職場』)、犬童一心監督(『名付けようのない踊り』)、片山慎三監督(『さがす』)、二宮健監督(『真夜中乙女戦争』)、原一男監督&小林佐智子プロデューサー(『水俣曼荼羅』)、前田聖来監督(『幕が下りたら会いましょう』)、松浦祐也さん&カトウシンスケさん(『ONODA 一万夜を越えて』)、首藤凜監督(『ひらいて』)、大石規湖監督(『fOUL』)、𠮷田恵輔監督(『空白』)、春本雄二郎監督(『由宇子の天秤』)、ウエダアツシ監督(『うみべの女の子』)、沖田修一監督(『子供はわかってあげない』)、内山雄人監督(『パンケーキを毒見する』)等々を配信中。アーカイブ動画は全ていつでも観れます。

サイト: https://morinao.blog.so-net.ne.jp/

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