一抹の希望も感じるディストピア映画

2015年7月24日 山縣みどり 奪還者 ★★★★★ ★★★★★

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • ツイート
  • シェア
奪還者

設定的に『マッド・マックス』風なアクションを想像していたら、いい感じに裏切られた。最初はややとっつきにくい。主人公が愛車を奪還したがる理由がわからない上、演じるガイ・ピアースの思い詰めた形相や常軌を逸した行動のせいだ。が、もうひとりの負け犬男が登場してからは人間ドラマ部分に深みが増し、一気に物語に引きこまれる。断片的に与えられる情報から二人の過去やこれからに思いを馳せたり……。利用するはずの男との間に徐々に絆めいたものを培う展開が主人公の孤独を際立たせて、切ない。最後に明かされる車奪還の理由も然りだが、彼の複雑な人間性がディストピアに一種の希望をもたらす気がした。

山縣みどり

山縣みどり

略歴:雑誌編集者からフリーに転身。インタビューや映画評を中心にファッション&ゴシップまで幅広く執筆。

近況:リオ五輪に向けて、イケメンなアスリートを探す仕事をオファーされてしまった。最近はモデル活動してるアスリートも多いのにびっくり。

山縣みどりさんの最近の映画短評

もっと見る

[PR]