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ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール (2014):映画短評

ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール (2014)

2015年8月1日公開 111分

ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール
(C) FINDLAY PRODUCTIONS LIMITED 2012

ライター3人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 4

森 直人

インディ・ポップの初期衝動!

森 直人 評価: ★★★★★ ★★★★★

S・マードックのソロ企画として、同名アルバムが09年に発表済みだが、それをイメージ・サントラとして新たにマードック初監督の映画が立ち上がった。むろん聖地グラスゴーで。これはベルセバが登場した頃の“初期衝動”が甦ったインディ・ポップの魅力全開の好編だ。

イヤーズ&イヤーズで大人気のO・アレクサンデルがアコギを握り、女優E・ブラウニングが歌う。そして踊る。ミュージカルの振りつけなどたどたどしいのだが、それが16mmフィルムのハンドメイドな質感にぴったり。『はなればなれに』の“マディソンダンス”風のシーンは、そのオマージュである『シンプルメン』をも受け継ぐもの。等身大な青春の躍動に筆者は泣いた。

この短評にはネタバレを含んでいます
相馬 学

“病み”や“闇”を共有できる仲間は、きっといる

相馬 学 評価: ★★★★★ ★★★★★

 心の病、ロック、ミュージカル……題材として扱うには厄介な、この3種を混ぜ合わせ、一本の映画にまとめ上げたのはスチュワート・マードックという才人だからできた技。

 ファッションのセンスの良さだけで見た目を引き寄せるし、ベルセバのファンは劇中の音楽だけで満足だろう。しかし、キャラクターの内面に潜む“病み”もしくは“闇”がリアルに響くこと。そんな中で仲間を見つけた無情の喜びに、共感を抱く観客は少なくないと思う。

 現代の物語だが60’sミュージカルのスタイリッシュな匂いを漂わせ、タイムレスなファンタジーのようにも見え、なおかつ心に響く。これはマードックのセンスのよさの表われ。傑作!

この短評にはネタバレを含んでいます
平沢 薫

この眼鏡男子のたたずまいがグラスゴーっぽい

平沢 薫 評価: ★★★★★ ★★★★★

 登場人物ひとりひとりの風貌、古着や帽子を使ったファッション、立ち居振る舞いはそれぞれ個性的でいて、同じ美意識で貫かれている。一種のミュージカル映画でもあって、音楽と共に登場人物たちが奇妙な振り付けで動いたりもする。その動きと、映画の色彩とリズムを貫くのも、同じ美意識。その美学は、監督・脚本を務めたベル・アンド・セバスチャンのスチュアート・マードックのもの。印象的なのは、Kitsuneレーベルのイヤーズ&イヤーズのボーカルでもあるオリー・アレクサンデルが演じる眼鏡男子。この人物の、ぼーっとしてるだけのようでいて、実はしっかり自分の立つ場所が分かってる感じが、ああグラスゴーだなあ、と思わせる。

この短評にはネタバレを含んでいます
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