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ジュラシック・ワールド (2015):映画短評

ジュラシック・ワールド (2015)

2015年8月5日公開 125分

ジュラシック・ワールド
Chuck Zlotnick / Universal Pictures and Amblin Entertainment ILM / Universal Pictures and Amblin Entertainment

ライター7人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3.6

清水 節

恐怖のテーマパークを体感する恐竜映画×怪獣映画のハイブリッド

清水 節 評価: ★★★★★ ★★★★★

 科学の暴走と過剰な商業主義が手を結び、怖いもの見たさで訪れる入園者が味わうスリル。第1作のスピリットを継承し、夢と恐怖のテーマパークが現出した感さえあり、映画がアトラクション化する時流に即した最上級の体験だ。遺伝子操作で誕生した凶暴な“新種”をいかに駆逐するか。予測不能な展開に次ぐ展開。残酷描写もギリギリで恐怖をエンターテインメントに昇華させる術を心得ている。恐竜映画と怪獣映画の要素を融合させたハイブリッド・アトラクションムービーと呼びたい。コリン・トレボロウ監督の長編第1作『彼女はパートタイムトラベラー』を観て大抜擢を決めたスピルバーグの眼力は確かだ。

この短評にはネタバレを含んでいます
森 直人

ハイブリッドの恐竜は、すなわち怪獣です!

森 直人 評価: ★★★★★ ★★★★★

ウー博士がイカやアマガエルのDNAをブチこんで、ハイブリッド種のインドミナス・レックスを作った話には恐怖しつつ笑ってしまった。完全にブラックユーモアの域だが、同時に「恐竜映画」としての一線を意図的に超えたなと思った。

教訓劇・群像劇の構造は第一作の再復元で、人間の欲望のエスカレートという主題をより拡大した問題意識で扱っているわけだが、野生ではなく新種を創造した時点でこれは「怪獣映画」もしくは「ホラー映画」だ。

VFXも映像の遺伝子操作のようなものだが、本作では復元した恐竜とフィクションの怪獣を違和感なく戦わせてしまう。ハイパーリアルに向かうハリウッド映像技術の現在値がよくわかる凄い一本だ。

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相馬 学

1作目のスピリットを甦らせ、進化させた快作

相馬 学 評価: ★★★★★ ★★★★★

 パークの楽しい雰囲気から一転、後半は地獄絵図~サバイバルへ。登場キャラである子どもの視点を貫いた点を含め、まさに『ジュラシック・パーク』1作目の原点回帰。しかし、そこから先に踏み出している点も見逃すべきではない。

 科学の過信という1作目の下地からさらに踏み込み、本作では資本主義的な問題点へ。利益を生むためにより狂暴な恐竜を作らねばならないパーク事情に、金に追い立てられる現代人の“事情”がにじみ出る。

 何よりの面白いアイデアは、人間に調教される4匹のラプトルの立ち位置。人間の味方か、狂暴な恐竜の側につくのか? 意外性やスリルを醸し出す、このキャラクターのドラマ面での活かし方はお見事!

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山縣みどり

遺伝子組み換えに警鐘を鳴らす? てな映画じゃありません。

山縣みどり 評価: ★★★★★ ★★★★★

シリーズ最新作では、観光客が恐竜ウォッチを満喫する楽しい世界の裏ではエゴと私欲むき出しの陰謀が粛々と進行する。人間が失敗から何も学んでないのが一目瞭然だし、遺伝子操作でより強い種を作り出したい学者と軍部のタッグって実際にありそうで怖い。今回は恐竜の心理が伝わる演出もあり、恐竜でさえ互いを思いやるのに人間ったらダメじゃん感がひとしお。登場人物がステレオタイプなのは子供が楽しむ作品だから仕方なし。とはいえ、見るべきはドラマ部分よりも特撮による恐竜たち。動きは自然だし、ヌメっとした皮膚感などの造形も前シリーズより進化している。こんなに素晴らしい映像技術があったら恐竜を蘇らせる必要はないよね。

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なかざわひでゆき

スペクタクルな見せ場は恐らくシリーズ最大規模です

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 14年ぶりのシリーズ復活作は、人気テーマパークとなったジュラシック・ワールドで史上最凶のハイブリッド恐竜が脱走し、未曾有のパニックを引き起こす。
 商業主義と科学の暴走に警鐘を鳴らしつつ、血に飢えた肉食恐竜VS人間のサバイバルを描く物語の根幹は過去作と代わり映えせず。しかも、今回は遺伝子操作で作られた新種がメインなので、展開的に何でもアリなご都合主義は否めない。
 とはいえ、最先端のVFXで描かれる3D恐竜バトルはさすがの迫力だし、一般客が襲撃されるスペクタクルシーンも圧巻。なにより、テーマパークの描写が実に壮観で、これは行ってみたい!と思わずにはいられない。映画館の大画面で見る価値はアリ。

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平沢 薫

パークのアトラクションをもっと体験したい

平沢 薫 評価: ★★★★★ ★★★★★

 生きているような恐竜たちを見るだけで、ワクワクしてしまうのはなぜだろう。このシリーズの真髄はそれで、それだけで問題ない。今回の新機軸は、シリーズで初めてオープン後のパークが体験できること。パークはかつて想像した通りぜひ行ってみたい場所になっていて、すぐに事件が起きて、パーク内をもっと体験出来ないのが残念なほど。そして今回は、第1作への敬意が随所にあって、創設者ジョン・ハモンドの銅像、第1作のジープ、ラプトルたちなどが登場。そこに第1作と同じ遺伝子科学者が久々に登場、「自然は人間の思うようにはならない」という本シリーズの不変のテーマを、今回は台詞ではっきり口にするのだ。

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くれい響

『ターミネーター:新起動』と対照的なリブート

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

続編というより、映画館のアトラクション化に合わせた『ジュラシック・パーク』のリブート。D・B・ウォン演じるDr.ヘンリーや、アニメキャラのミスター・DNAが22年ぶりに復活。さらに放置された「パーク」の看板や、人物描写やシーンなど1作目のリスペクトが随所に見られ、お約束な展開も含め、『ターミネーター:新起動/ジェニシス』より支持されている理由がよく分かる。さらに、ラストバトルはもちろん、前3作でなかった観光客が襲われるパニック描写があるだけで、シリーズのファンとしては十分アガる。『彼女はパートタイムトラベラー』の監督がここまで化けるとは思わなかったが、やっぱり過大評価されてる感は否めない。

この短評にはネタバレを含んでいます
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