もちろん、ランニングの人は出てきません。

『バードマン』を抑え、ヴェネチアで金獅子賞受賞!というと、ハードルも上がるが、相変わらずの脱力系、ロイ・アンダーソン監督作。『散歩する惑星』に始まる“リビングトリロジー最終章”であり、細部まで計算された構図や配色、そしてシュールなギャグは過去作同様、松本人志のコント好きならハマるはず(今回は、キスおばさんが…!)。主人公のサエない面白グッズ営業マン2人組は、まるで「ゴドーを待ちながら」の主人公で、実際にそれっぽいスケッチも登場。男色家の噂もあった自国の国王・カール12世や、アフリカの囚人がローストされる巨大オルガンのスケッチなど、“攻め”描写もあり、頭をフル回転させて挑んでみるのもいいだろう。