澱んだ空気の中で、何を守り、何を捨てるか?

2015年9月30日 相馬 学 アメリカン・ドリーマー 理想の代償 ★★★★★ ★★★★★

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アメリカン・ドリーマー 理想の代償

 社会派の鬼才シドニー・ルメットが『プリンス・オブ・シティ』でNY警察の汚職の暗部をえぐったのが1981年。それを思い出したのは、当時ルメットが描いていた街の空気の“澱み”が、本作からも伝わってきたからだ。

 誰もが手を汚して生きている時代に、誠意とともに生きることの難しさ。銀行、検察、同業者、部下、家族など、そのどれかを立てれば他のどれかが立たない。悪意という名の“澱み”の中では美しく泳ぐことができないのだ。

 そんな困った状況下での主人公の運命がスリリングで、同時に重みのある人間ドラマも成立。彼は何を守り、何を捨てるのか? 注目株J・Cチャンダーの才腕ともども目が離せない。

相馬 学

相馬 学

略歴:アクションとスリラーが大好物のフリーライター。『DVD&ブルーレイでーた』『SCREEN』『Audition』『SPA!』等の雑誌や、ネット媒体、劇場パンフレット等でお仕事中。

近況:『ファナティック ハリウッドの狂愛者』他の劇場パンフレットでお仕事中。「映画の巨人たち リドリー・スコット」(辰巳出版刊)に寄稿。

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