刑務所の閉鎖空間で人間性に目覚めていく狂犬のような若者

2015年10月10日 なかざわひでゆき 名もなき塀の中の王 ★★★★★ ★★★★★

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名もなき塀の中の王

 愛情や優しさを知らずに育った狂犬のような若者が、刑務所の過酷な閉鎖空間の中で他者との関わり方を学び、やがて人間性に目覚めていく。
 重要な鍵を握るのは、同じ刑務所に収容されている実の父親との関係。暴力でしか愛情を表現できない屈折した父親の存在は、若者にとってある種のトラウマであり呪縛であるからだ。とはいえ、ただでさえ憎らしい父親が塀の中で若い男の愛人なんか作ってたら、余計に受け入れられないだろうとは思うのだが…(^^;
 また、囚人同士の派閥争いやイジメ、看守の汚職などが蔓延る刑務所内の日常も徹底したリアリズムで再現され、その小さな世界を荒廃した現代社会の縮図として描いている点も面白い。

なかざわひでゆき

なかざわひでゆき

略歴:日本大学芸術学部映画学科卒、同学部大学院卒。映画・海外ドラマのライターとして、TVガイド誌やオンライン情報サイトなどを中心に幅広く執筆活動中。雑誌「スカパー!TVガイドBS+CS」(東京ニュース通信社刊)で15年続くコラム“映画女優LOVE”をはじめ各テレビガイド誌で特集記事やコラムを執筆。著書は「ホラー映画クロニクル」(扶桑社刊)、「アメリカンTVドラマ50年」(共同通信社刊)など。また、数多くの来日スターにインタビューしており、ハリウッドのスタジオや撮影現場へも毎年コンスタントに足を運んで取材をしている。特に海外ドラマの現地取材は本人も数え切れないほど(笑)。旧ソ連のモスクワ育ち。

近況:最近は今さらながらK-POPのボーイズバンドにドハマり中。一番の御贔屓はMCNDですが、NCTやTREASUREも大好き。もちろんBLACK PINKとかITZYとかEVERGLOWとかガールズにも夢中です。

サイト: http://eiga3mai.exblog.jp/

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