過去作品とは一線を画す巨匠の風格

2013年9月27日 なかざわひでゆき ロード・オブ・セイラム ★★★★★ ★★★★★

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ロード・オブ・セイラム

 「ハロウィン」のリメイク版シリーズを経たロブ・ゾンビ監督が、久々に手掛けたオリジナル作品。これが意外なくらいに正攻法で作られたオカルト映画であり、それと同時に彼らしい破壊的な狂気を孕んだ傑作である。

 舞台となるのは魔女裁判で有名なマサチューセッツ州の田舎町セイラム。地元のラジオDJとして働く女性ハイジのもとへ届けられた1枚のレコードをきっかけに、彼女の周囲で禍々しい出来事が起きていく。東海岸の端正な古い町並みを美しい映像で捉えつつ、現代社会に潜む魔女の呪いをじわりじわりとあぶり出していく演出は、過去作品とは一線を画して巨匠の風格すら漂う。随所にインサートされるサイケデリックでクレイジーなビジュアルを含め、70年代カルト・ムービー群からの影響も相当に濃厚だ。

 さらに、ジャンル系映画に縁の深い往年の名優を揃えたキャスティングも、ただ単なる顔見せに終始することなく見事。既に引退していたジュディ・ギーソンを引っ張り出してきた功績も見逃せないが、なによりその氷のような美貌が邪魔して正当な評価を得られなかったメグ・フォスターから凄まじい怪女優としての素質を引き出した点も特筆に値する。

なかざわひでゆき

なかざわひでゆき

略歴:日本大学芸術学部映画学科卒、同学部大学院卒。映画・海外ドラマのライターとして、TVガイド誌やオンライン情報サイトなどを中心に幅広く執筆活動中。雑誌「スカパー!TVガイドBS+CS」(東京ニュース通信社刊)で15年続くコラム“映画女優LOVE”をはじめ各テレビガイド誌で特集記事やコラムを執筆。著書は「ホラー映画クロニクル」(扶桑社刊)、「アメリカンTVドラマ50年」(共同通信社刊)など。また、数多くの来日スターにインタビューしており、ハリウッドのスタジオや撮影現場へも毎年コンスタントに足を運んで取材をしている。特に海外ドラマの現地取材は本人も数え切れないほど(笑)。旧ソ連のモスクワ育ち。

近況:新しく映画ブログ始めました。よければチェックしてみてください♫なかざわひでゆきの毎日が映画三昧→http://eiga3mai.exblog.jp/

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