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ラストに投下される最強の“催涙弾”

2013年10月4日 くれい響 あの頃、君を追いかけた ★★★★★ ★★★★★

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あの頃、君を追いかけた

 これまで、どこか気取ったアート系のイメージが強かった台湾産青春映画だが、そのテイストをしっかり残しながら、次々と下ネタをブッコんでくる。作り手はもちろん、演者もパンツを脱いで作った青春映画だからこそ、共感できて笑える。とはいえ、主人公たちの性の対象と“ほかの女子より少し可愛いだけの”ヒロインの存在は別モノ。だからこそ、切なくて泣けてくる。

 確かに、主要キャラの描き方の甘さやムダに長い格闘技大会など、ツッコミどころは多い。だが、それらをすべて帳消しにしまうほど、ラストに投下される“催涙弾”の威力は最強である。

 この2年、台湾・香港・中国で30回以上観続け、今ではパブロフの犬ばりに、主題歌のイントロが流れるだけで泣けてしまう体質になりながら、また「あの7人」に会える嬉しさ。そして、お礼参りされる教官やワキ毛ボーボーのルームメイトなど、小ネタを発見する悦び。どちらの要素も持つ意味で、『猟奇的な彼女』以来、恐ろしいまでに中毒性を持ったラブストーリーといえるだろう。

くれい響

くれい響

略歴:1971年、東京都出身。大学在学中、クイズ番組「カルトQ」(B級映画の回)で優勝。その後、バラエティ番組制作、「映画秘宝(洋泉社)」編集部員を経て、フリーとなる。現在は映画評論家として、映画誌・情報誌・ウェブ、劇場プログラムなどに寄稿。また、香港の地元紙「香港ポスト」では20年以上に渡り、カルチャー・コラムを連載するほか、ライターとしても多岐に渡って活動中。

近況:『レイジング・ファイア』『少年の君』『唐人街探偵 東京MISSION』『星空のむこうの国』『映画 賭ケグルイ 絶体絶命ロシアンルーレット』『藍に響け』『裏アカ』『新感染半島 ファイナル・ステージ』『ハッピー・オールド・イヤー』『新解釈・三國志』などの劇場パンフにコラム・インタビューを寄稿。そのほか、キネマ旬報ムック「細田守とスタジオ地図の10年」にて細田守監督×ポン・ジュノ監督、「TV LIFE web」にてモモコグミカンパニーさん、SKE48さん、中川翔子さん、真洋(mahiro)さん、「GetNavi web」にて今泉力哉監督、佐久間宣行さん、岸明日香さん、堀田真由さん、「CREA WEB」にて毎熊克哉さんなどのインタビュー記事も掲載中。

サイト: http://blog.goo.ne.jp/asiareview/

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