シネマトゥデイ

シネマトゥデイ

全く新しい視点からホロコーストを描いた傑作

  • サウルの息子
    ★★★★★

     ナチスのユダヤ人強制収容所で大勢の同胞をガス室へ送り、その死体処理までさせられるユダヤ人の男サウルが、自分の息子と思しき少年の遺体を埋葬しようと奔走する。
     通俗的なメロドラマ性を頑なに拒絶し、作劇的な要素の一切を排した本作は、ひたすら主人公の表情や行動にカメラの焦点を合わせることで、死体と汚物と絶望が異臭を漂わす強制収容所の暗澹たる日常を、まるで我々もその場にいるかのような臨場感で追体験させる。
     確かに極めて救いのない作品だが、だからこそ人間は希望なくしては生きられない動物であることも知らしめる。たとえそれが微かな一筋の光であったとしても、我々は確かに生を実感することができるのだ。

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なかざわひでゆき

なかざわひでゆき

略歴: 日本大学芸術学部映画学科卒、同学部大学院卒。映画・海外ドラマのライターとして、TVガイド誌やオンライン情報サイトなどを中心に幅広く執筆活動中。雑誌「スカパー!TVガイドBS+CS」(東京ニュース通信社刊)で15年続くコラム“映画女優LOVE”をはじめ各テレビガイド誌で特集記事やコラムを執筆。著書は「ホラー映画クロニクル」(扶桑社刊)、「アメリカンTVドラマ50年」(共同通信社刊)など。また、数多くの来日スターにインタビューしており、ハリウッドのスタジオや撮影現場へも毎年コンスタントに足を運んで取材をしている。特に海外ドラマの現地取材は本人も数え切れないほど(笑)。旧ソ連のモスクワ育ち。

近況: 新しく映画ブログ始めました。よければチェックしてみてください?なかざわひでゆきの毎日が映画三昧→http://eiga3mai.exblog.jp/

サイト: http://eiga3mai.exblog.jp/

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