『幕が上がる』にも通じる、エモすぎる青春群像劇

2016年2月24日 くれい響 桜ノ雨 ★★★★★ ★★★★★

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桜ノ雨

『くちびるに歌を』どころじゃない、ただならぬエモさに驚愕! 確かにクライマックスのいきなりの展開には、一瞬ツッコミを入れたくなったが、それも含めて、ガチでリアルな青春映画である。初の商業だけに、毒まみれだった前作『リュウグウノツカイ』と違い、作家性を抑えなければならなかったウエダアツシ監督だが、徹底的に抑えた演出は、もはや職人技の域。今すぐ大手でコミック原作を撮れるほどの実力を魅せつけた。目の演技が印象的なヒロインの山本舞香も、過去最高の存在感を残す。ネタはボカロ、ニコ動世代の定番卒業ソングだが、そことは無縁の世代にこそガツンと響く。『幕が上がる』にも通じる16年のダークホース的存在だ。

くれい響

くれい響

略歴:1971年、東京都出身。大学在学中、クイズ番組「カルトQ」(B級映画の回)で優勝。その後、バラエティ番組制作、「映画秘宝(洋泉社)」編集部員を経て、フリーとなる。現在は映画評論家として、映画誌・情報誌・ウェブ、劇場プログラムなどに寄稿。また、香港の地元紙「香港ポスト」では20年以上に渡り、カルチャー・コラムを連載するほか、ライターとしても多岐に渡って活動中。

近況:『イップ・マン 完結』『追龍』『WAR!!!』『眉村ちあきのすべて(仮)』『プロジェクトグーテンベルク 贋札王』などの劇場パンフにコラム・インタビューを寄稿。「究極決定版 映画秘宝オールタイム・ベスト10」のほか、「1980年代の映画には僕たちの青春がある(キネ旬ムック) 」「悲運の映画人列伝(映画秘宝COLLECTION)」「俺たちのジャッキー・チェン (HINODE MOOK)」に作品・解説などを寄稿。そのほか、「映画秘宝」にて岩井俊二監督×斎藤工さん、「シネマトゥデイ」にて菅井友香さん、「Movie Walker」にてポン・ジュノ監督×細田守監督、「TV LIFE」にて芋生悠さん、「CREA WEB」にて甲斐翔真さんなどのインタビュー記事が掲載中。

サイト: http://blog.goo.ne.jp/asiareview/

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