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アーロと少年 (2015):映画短評

アーロと少年 (2015)

2016年3月12日公開 101分

アーロと少年
(C) 2016 Disney / Pixar. All Rights Reserved.

ライター4人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3.8

森 直人

ピー助ではなくのび太的なアーロ

森 直人 評価: ★★★★★ ★★★★★

宣伝ヴィジュアルで『のび太の恐竜』じゃん!と思ってたら、のび太とピー助の役回りが逆だった。しかも草食恐竜(アパトサウルスって渋いね~)が農耕生活を営んでいる……。これは“ifもしも”とも呼べない完っ全な空想の産物である。恐竜好きの立場から言うと、「家族」や「成長」といった主題の使い方も含め、ちょっとベタに擬人化しすぎでは?と思ったのが正直なところ。

ただ、お話には乗りにくかったぶん、描写力の凄まじさには感動した。キャラクター化された恐竜・動物がリアル志向の自然の風景と心地良く馴染んでいる様はまさに圧巻。西部劇風味も◎。純粋にアニメ工房としてのピクサーの実力を改めて感じ入った一本。

この短評にはネタバレを含んでいます
中山 治美

人間ってちっぽけだ!

中山 治美 評価: ★★★★★ ★★★★★

画期的なアニメだ。
恐竜ほかあらゆる動物が話すのに、言葉を持たぬのは人間だけ!
こうした創作物は、どうしても人間が自然界の中で頂点という驕りがどこかにかいま見えるのだが、この物語では最下層。
単にコレ、原始はそうだった—ということを示しているのではないだろう。
今も大自然においては人間は弱くて小さい。
だから群れずにはいられない存在であることを気づかせてくれる。
その美しくも残酷な自然の描写が、実写かと見紛うほど精密で目を奪われた。
二度ケニアへ行ったことがあるのだが、鑑賞後、またあのデッカい自然に会いたくなってズムズしている。

この短評にはネタバレを含んでいます
くれい響

ピクサー最多の視覚効果数で描く、圧巻の自然描写

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

『ダイナソー』に比べ、可愛いキャラによるディズニー/ピクサーおなじみのバディもので、“はじめての里帰り”ともいえるお約束なストーリー。ヒンドゥー・ヒーローものな同時上映の「ボクのスーパーチーム」に比べ、驚きや発見はないが、草食のアパトサウルスは農業に勤しみ、肉食のTレックスはカウボーイとしてバッファローを放牧。そんな人間より発達した恐竜による日常は、とにかく斬新だ。そして、ウットリするほどのホタルの光に、美しく羽ばたくコウノトリの群れなど、ピクサー最多の視覚効果数を駆使して描かれた大自然とそこで生きる動物たちの姿は圧巻。ほぼ、これだけで感動のクライマックスまで引っ張る力技に頭が下がります。

この短評にはネタバレを含んでいます
平沢 薫

もしも恐竜が絶滅しなければ世界は輝いていた

平沢 薫 評価: ★★★★★ ★★★★★

 もしも恐竜が絶滅せず、人間ではなく彼らが地球を支配していたら世界はどのようになったのか。その答を描くのが本作。なので、この世界の自然は、空も川も土も、植物も昆虫も、ただただ輝かしく美しく、もしも人間が影響を与えなければこんな姿をしていたのに違いないと思わせる。自然が、まるで実写と変わらないリアルさを実現しつつ、現実のままの姿ではなく、本来あるべき姿で出現するのだ。中でも、川の氾濫に巻き込まれて気を失った主人公が、嵐の後で川の浅瀬で目覚める時の、彼のまぶたが開くのにつれて目の前に広がる、流れる水の透明さ、その水が太陽の光を反射して放つ、柔らかな光の揺らめき。その美しさに息を飲む。

この短評にはネタバレを含んでいます
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