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アイアムアヒーロー (2015):映画短評

アイアムアヒーロー (2015)

2016年4月23日公開 126分

アイアムアヒーロー
(C) 2016 映画「アイアムアヒーロー」製作委員会 (C) 2009 花沢健吾/小学館

ライター4人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 4.3

ミルクマン斉藤

世界のゾンビ映画史に残るであろう傑作。

ミルクマン斉藤 評価: ★★★★★ ★★★★★

日本のゾンビ映画もここまで来たか、と興奮かつ感動を覚える逸品。容赦なくグロテスク、人体破壊や血糊臓物の飛び散り方にも生々しさへのこだわりがあって素晴らしい。カタストロフ後の光景のハードボイルドな情感もたっぷり(乾いたブルースが良く似合う)、ショッピングモール型のゾンビ映画でもあることだし、御大ジョージ・A・ロメロへのリスペクトが濃密に感じ取れる。原作のアレンジも要所を押さえて巧み、佐藤信介監督も下村勇二アクション監督も『GANTZ』以上にやりたいことを十二分にやり遂げた感。大泉洋はじめ主要キャストもとてもシリアスな快演を見せるが、吉沢悠の全共闘的気持ち悪さはちょっと異常。

この短評にはネタバレを含んでいます
轟 夕起夫

『重版出来!』と『真田丸』の視聴者もぜひ観に行って驚こう!

轟 夕起夫 評価: ★★★★★ ★★★★★

 バネが効いている。原作に則って、映画はヘタレな主人公を徹底的に追い込んで退路を絶ってゆく。そうしてギリギリまで弦を引き絞り、撓らせ、大きく弾いて“弓矢”を放ち、散弾銃から出る一発一発は観客のカタルシスへとつながっていく(メインの大泉洋、長澤まさみ好演! 有村架純の使い方はある意味、贅沢すぎるが)。

 佐藤信介監督はもともと、閉じた空間内の演出で冴えを見せてきたが、今回も「リピートされるロッカーでのシーン」の“溜め”が秀逸。現在、『重版出来!』でも筆が走っている野木亜紀子の的確な脚色も大きい。ヒーローの最後の表情に……「峠の我が家」には戻れぬエレジーも読み取るかどうかはあなた次第。

この短評にはネタバレを含んでいます
相馬 学

ゾンビ後進国(?)の日本映画が、ここまでやった!

相馬 学 評価: ★★★★★ ★★★★★

 甘ったるいゾンビ映画になっていたらイヤだなあと思っていたら、嬉しい誤算。バイオレンスとスピード感の融合に引き込まれる。

 モールへの立てこもりや生存者間のエゴイスティックな対立等、ジョージ・A・ロメロ作品へのオマージュを盛り込みつつ、鮮血も臓物も容赦なくぶちまける。東宝作品でここまでやって大丈夫なのだろうか……と心配しつつ、この苛烈さを楽しんだ。
なかなか戦わない主人公のヘタレぶりがじれったく、

 2時間を超える長尺はタイトにできた気もするが、キャラの多彩さやゾンビ造型の面白さなど見るべきところはある。和製ゾンビ映画の新たな境地を切り開く一作となることを願いつつ、オススメ。

この短評にはネタバレを含んでいます
くれい響

ついに日本映画の鬼門が破られた!

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

正直な話「今の東宝が、ここまでやってくれるとは…」。これまで日本映画の鬼門だったゾンビ映画だが、しっかり予算を費やし、韓国ロケなど時間をかけて撮影。さらに妥協なきグロ描写と、制作陣の本気度から、ジョージ・A・ロメロの『ゾンビ』のオマージュたっぷりな、胸張って世界に出せる作品に仕上がった。原作からの脚色はいくつかあるが、花沢健吾原作おなじみの泥臭い人間ドラマも、クライマックスでの大虐殺もしっかり映像化。ハマリ役にしか見えない大泉洋を筆頭に、濃ゆいキャストがひしめくなか、みーちゃん役の栗田恵美の健闘も買いたい。佐藤信介監督作としても、『GANTZ』(もちろんPART1)と並ぶベスト作といえる。

この短評にはネタバレを含んでいます
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