信念がなければ何も始まらない、変わらない

2013年10月30日 なかざわひでゆき 42 ~世界を変えた男~ ★★★★★ ★★★★★

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • ツイート
  • シェア
42 ~世界を変えた男~

 黒人初のメジャー・リーガー、ジャッキー・ロビンソンの実話。有色人種の置かれた社会的立場や世間の反応など、今となっては実感としてなかなか伝わりづらい当時の過酷な状況を生々しく織り込みつつ、人間の揺るぎない信念が社会全体の意識に変革をもたらしていく過程を、当事者である個人の視点から見つめた作品といえよう。

 まずは、ジャッキーの人生において最も重要な時期、つまりドジャースとの契約からメジャー・デビューまでの2年間に物語の焦点を絞ったブライアン・ヘルゲランド監督(脚本も兼任)の采配を評価したい。そのおかげで、当時の人種差別の根深さ、その壁に挑戦した彼の苦難というものが、説得力を持って語られることとなった。

 理不尽な差別や非難にも反論することなくじっと耐え、自らの実力と謙虚な態度で大衆の尊敬と支持を勝ち取ったジャッキーの姿にも胸を揺さぶられるが、来るべき公民権運動の時代を見据えた上で彼の才能と人間性に賭けた球団オーナー、ブランチ・リッキーの先見の明にも感心する。信念を持ち続けるのは決してたやすいことではないが、しかしそれがなければ何も始まらない、変わらないことを痛感させてくれる。

なかざわひでゆき

なかざわひでゆき

略歴:日本大学芸術学部映画学科卒、同学部大学院卒。映画・海外ドラマのライターとして、TVガイド誌やオンライン情報サイトなどを中心に幅広く執筆活動中。雑誌「スカパー!TVガイドBS+CS」(東京ニュース通信社刊)で15年続くコラム“映画女優LOVE”をはじめ各テレビガイド誌で特集記事やコラムを執筆。著書は「ホラー映画クロニクル」(扶桑社刊)、「アメリカンTVドラマ50年」(共同通信社刊)など。また、数多くの来日スターにインタビューしており、ハリウッドのスタジオや撮影現場へも毎年コンスタントに足を運んで取材をしている。特に海外ドラマの現地取材は本人も数え切れないほど(笑)。旧ソ連のモスクワ育ち。

近況:新しく映画ブログ始めました。よければチェックしてみてください♫なかざわひでゆきの毎日が映画三昧→http://eiga3mai.exblog.jp/

サイト: http://eiga3mai.exblog.jp/

なかざわひでゆきさんの最近の映画短評

もっと見る

[PR]