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もらとりあむタマ子 (2013):映画短評

もらとりあむタマ子 (2013)

2013年11月23日公開 78分

もらとりあむタマ子
(C) 2013『もらとりあむタマ子』製作委員会
森 直人

史上最強の「ダメ女子萌え映画」降臨!

森 直人 評価: ★★★★★ ★★★★★

最高! 一見隙だらけの(というか隙しかない)果てしなくユルい作風ながら、文句なしにハイクオリティの「ダメ女子萌え映画」だ。田舎の実家に出戻り、近所をうろついてるだけのニートをダルく怪演する前田敦子。『苦役列車』にしろ『クロユリ団地』にしろ、まだアイドルを引きずっていたが、今作ではオフモードのまま素材感と女優力が凶暴に全開!

テレビのニュースを見ながら「ダメだな…日本は」とつぶやき、「日本じゃなくて、お前がダメなんだよ!」と父親にツッコまれるキレまくった台詞の数々。まさに、いましろたかしのモラトリアム青春漫画『ザ★ライトスタッフ』などの応用形であり、同時に監督・山下敦弘の初期作品の女子版でもある。まさか『どんてん生活』や『ばかのハコ船』の山本浩司がマエアツにメタモルフォーゼする日が来るとは! また山下の念頭には『なまいきシャルロット』がイメージモデルとしてあったらしいが、四季に合わせたスケッチ風の短編オムニバス的構成はエリック・ロメールに近い。

脚本は山下の盟友・向井康介。『陽だまりの彼女』が大ヒットした直後に、このハードコア&キュートな傑作が投下されるのだから、今年の彼は凄すぎ!

この短評にはネタバレを含んでいます
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