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健さん (2016):映画短評

健さん (2016)

2016年8月20日公開 95分

健さん
(C) 2016 Team "KEN SAN"

ライター3人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3.7

中山 治美

ケン・ワタナベの前に、KENがいた

中山 治美 評価: ★★★★★ ★★★★★

関係者の”心の中の健さん”だけに、美談に終始しているのでは?と懸念した。ところが、海外にもいかに影響を与えたのか?という新たな視点の高倉健論。親交のあったM・スコセッシ監督や『ブラック・レイン』の撮影監督ヤン・デ・ポンらから出てくる秘話に思わず前のめり。まさかあの映画もこの映画も、渡辺謙の前に健さんにオファーがいっていたとは!
 ただ作品そのものは、映画『単騎、千里を走る。』で共演したチューリンが、ゆかりの地や人を訪問して健さんの素顔を探る旅のはず。海外取材はスタッフによるもので作品の軸はブレているし、詰め込み過ぎの感もある。それでも秘蔵写真も満載なので、健さんファンの心は満たされるだろう。

この短評にはネタバレを含んでいます
相馬 学

リスペクトに貫かれた愛すべきドキュメンタリー

相馬 学 評価: ★★★★★ ★★★★★

 スクリーンで演じる筋の通った寡黙なキャラクターと実像に大きなブレがない。そういう意味で、高倉健が唯一無二のスターであったことを確認できるリスペクトたっぷりの逸品。

 俳優、監督からスタッフ、元付き人まで、インタビューを受けた人々が敬意を表明しているのだから、それも当然。一方向をきちんと向いているドキュメンタリーは潔い。“健さん”の“さん”という敬称が表わすものの大きさを実感した。

 代表作の多数を占める東映や東宝の協力を得られず、その主演作のフッテージはナシ。そんなハンデを感じさせないのは圧倒的な取材量と、健さんへのリスペクトというテーマのおかげ。健さんと同様、この映画自体ブレがない。

この短評にはネタバレを含んでいます
くれい響

男が惚れる男の美学

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

『単騎、千里を走る。』で健さんを案内したチューリンが案内人となり、新世界東映を訪れるオープニングが素晴らしすぎ! マイケル・ダグラスが『ブラックレイン』の撮影裏話を、スコセッシやポール・シュナイダーが意外な交友関係を語るなど、高倉健の偉大さを再確認するドキュメンタリーだが、最大の見どころは40年来の付き人から語られる小田剛一(本名)の顔(江利チエミとの私生活も!)。実は器用だった男の美学を垣間見ることができるが、ジョン・ウーから現在制作中の『君よ憤怒の河を渉れ』リメイクに至る経緯が、ユ・オソンから『友へ/チング』好きだったことが語られるなど、アジア映画ファンにもたまらない構成になっている。

この短評にはネタバレを含んでいます
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