シネマトゥデイ

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偏愛対象! 異様な美意識のポリティカル・ホラー

  • シークレット・オブ・モンスター
    ★★★★

    ジャンルでいえば政治寓話だが、戦慄はホラーに近い。サルトルの小説『一指導者の幼年時代』(1938年)から着想を借りているが、独裁者への道のロジックは異なる。ナチズム台頭の起点となったヴェルサイユ条約を背景に、フランスにやってきた支配階級の両親(米高官の父とドイツ人の母)から暗い抑圧を受けて育った美少年が、のちに陰謀的な新興勢力のリーダーとなる……。まるで超常現象のない『オーメン』ではないか!

    その不穏さを大仰なまでに煽るように、序曲(OVERTURE)から攻撃的に鳴り響く“30世紀の男”スコット・ウォーカーの前衛スコアが最高すぎて悶絶。 映画音楽は実に『ポーラX』以来。もっとやって欲しいよ!

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森 直人

森 直人

略歴: 映画評論家、ライター。1971年和歌山生まれ。著書に『シネマ・ガレージ~廃墟のなかの子供たち~』(フィルムアート社)、編著に『21世紀/シネマX』『シネ・アーティスト伝説』『日本発 映画ゼロ世代』(フィルムアート社)『ゼロ年代+の映画』(河出書房新社)ほか。「週刊文春」「朝日新聞」「キネマ旬報」「TV Bros.」「メンズノンノ」「Numero TOKYO (Web)」「映画秘宝」などでも定期的に執筆中。※illustrated by トチハラユミ画伯。

近況: YouTube配信番組『活弁シネマ倶楽部』でMC担当中。5月31日より、工藤梨穂監督(『オーファンズ・ブルース』)の回を配信中。ほか、映画ジャーナリストの徐昊辰さん(『キングダム』討論)、三宅唱監督(『ワイルドツアー』)、佐向大監督(『教誨師』)、片山慎三監督×松浦祐也さん×和田光沙さん(『岬の兄妹』チーム)、二宮健監督(『チワワちゃん』『疑惑とダンス』)、広瀬奈々子監督(『夜明け』)、緒方貴臣監督(『飢えたライオン』)、関根光才監督(『太陽の塔』『生きてるだけで、愛。』)等々を配信中。アーカイブ動画は全ていつでも観れます。

サイト: https://morinao.blog.so-net.ne.jp/

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