現実味のある実録劇か? はたまたスター映画か!?

2013年11月23日 相馬 学 キャプテン・フィリップス ★★★★★ ★★★★★

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キャプテン・フィリップス

 ポール・グリーングラスがリアリティを重視する監督であることは、映画ファンには周知の事実。『ボーン・アルティメイタム』のようなアクションも、『ユナイテッド93』などの実録ドラマも、そこに宿る現実味に圧倒される。後者の部類に入る実話ベースの本作も、リアリティが緊張感を醸しだす力作だ。

 手持ちカメラで物事を的確にとらえ、瞬時に何が起こっているのかを観客に理解させるグリーングラス独特の撮影スタイルは健在。船長の指示、それに従う船員たちの動き、海賊たちの戦略や力関係といった要素が無駄なく積み重ねられ、スリルの渦に引き込む。ソマリア海賊の背景をきちんと描いている点も好感度大。彼らを断罪せず、物語を単に勇気ある船長の美談に終わらせない点にもグリーグラスらしいバランスの良さをうかがわせる。

 こういう現実的な映画で往々にして問題となるのは、非現実的であるスターの存在。そういう意味では、トム・ハンクスというメジャー過ぎる人気俳優の起用は賛否が分かれるところだろう。主人公がフィリップスに見えるか、ハンクスに見えるか? スター映画のイメージにとらわれ過ぎないことをお勧めしたい。

相馬 学

相馬 学

略歴:アクションとスリラーが大好物のフリーライター。『DVD&ブルーレイでーた』『SCREEN』『Audition』『SPA!』等の雑誌や、ネット媒体、劇場パンフレット等でお仕事中。

近況:『スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け』他の劇場パンフレットに寄稿。趣味でやっているクラブイベントDJの方も忙しくなってきました。

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