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スプリット (2017):映画短評

スプリット (2017)

2017年5月12日公開 117分

スプリット
(C) 2017 UNIVERSAL STUDIOS. All Rights Reserved.

ライター7人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3.1

相馬 学

驚かかせ屋の面目躍如というべき24重人格奇談

相馬 学 評価: ★★★★★ ★★★★★

 シャマランはストーリー作りに関してはやりたい放題の異才。話が破たんしようが、とにかく驚かせる……そんな映画ファンの認識と期待を裏切らない本作。

 24重人格の“ビリー・ミリガン”からヒントを得たであろうストーリーは、24番目の人格の覚醒をミステリーにして突き進み、仰天のクライマックスへ。この男の不気味さをそのままとらえたようなアップ主体の映像に加え、彼に捕まった少女たちのサバイバルもスリルを盛り立てる。

 初期のとあるシャマラン作品と似ている…と思って見ていたら、案の定つながりが。今後のウルトラC的フランチャイズ展開も予測させる、シャマラン・ファンにはたまらない逸品(珍品?)と言えよう。

この短評にはネタバレを含んでいます
清水 節

“破壊不能”なシャマラン・ユニバースの幕開けこそ最大の驚き!

清水 節 評価: ★★★★★ ★★★★★

 女子高生たちと共に、観る者はいきなり謎めいた閉塞的な空間に閉じ込められる。犯人が多重人格であることで、この監禁はそれなりの恐怖と不安を醸成させていく。ジェームズ・マカヴォイから多面的な怪演を引き出すシャマラン演出は、人を食ったような手つきだ。未完の大器アニヤ・テイラー=ジョイが怯える、魅惑的な表情と肢体に救われた面が多々ある。それにしてもシャマランは稀代の策士だ。映画としては空虚ながらも、まんまと「完全復活」なる惹句を踊らせることに成功した。24人目の人格の正体など、所詮マクガフィンにすぎない。最後の最後に訪れる“破壊不能”なシャマラン・ユニバースの幕開けこそ、最大のサプライズだ。

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なかざわひでゆき

『キャリー』へのオマージュも見え隠れするB級サイコ・ホラー

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 M・ナイト・シャマラン監督がいい意味で開き直ってくれたB級サイコ・ホラー。女子高生3人組が拉致監禁されるという導入部こそありがちだが、その犯人が23の人格を持つ解離性同一障害者であることが判明した辺りからエンジンがかかり始め、超人的な24番目の人格の誕生で一気にストーリーは暴走していく。
 心的外傷としての「虐待」をキーワードにしたスーパーナチュラルな要素や、犯人の救いとなりきれない善良だが無力な精神科医を演じるベティ・バックリーなど、『キャリー』へのオマージュも見え隠れする本作。女装まで駆使して多重人格を見事に演じ分けるジェームズ・マカヴォイの、気合入りまくった怪演も大いに見ものだ。

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山縣みどり

シャマラン、『Xメン』シリーズの監督を狙ってる?

山縣みどり 評価: ★★★★★ ★★★★★

主人公が解離性人格障害でしかも23のパーソナリティを持つのでビリー・ミリガンの話なのかなと思ったら、すっとこどっこいな方向に話が進むあたりがシャマラン流! 演技派ジェイムズ・マカヴォイも実力アピールできるはずがプロフェッサーXと同じスキンヘッズで大失敗。別人格パトリシアが登場した瞬間、プププッ。女装が似合わなすぎるし、あまり演じ分けてないよ。かように些細な部分が粗いと物語にのめり込むのが難しくなるわけで、「おおっ」となるオチへの布石にしては長すぎる。シャマランなりのコミック世界を作っているようだが、もしや『Xメン』シリーズの監督に立候補する気なのかも。メタヒューマンは俺にまかせろ、ってね。

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くれい響

シャマランがビリー・ミリガンを描いてみた!

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

既視感アリアリな監禁サスペンスとして幕を開けるが、そこはシャマラン映画。“23人の人格を持つ誘拐犯”という『フィルス』以上にブッ飛んだキャラを演じるジェームズ・マカヴォイとの駆け引きに釘付け。そんなヤツが「どの人格のときに、どんな対応すればいいか?」という展開は、コントに近いものを感じるなか、フラッシュバックされる意味深な森のシーンなど、相変わらずマジか、ギャグか分からない微妙なさじ加減に、終始ニヤニヤ。24人目の人格“ビースト”の正体を経て、ラストのサプライズを目の当たりにしたとき、シャマラン好きなら「あんたも好きねぇ」と思うこと必至。じゃあ、新規は…?という、温度差確実な仕上がりです。

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猿渡 由紀

シャマランのキャリアを復活させた低予算B級ホラー

猿渡 由紀 評価: ★★★★★ ★★★★★

「レディ・イン・ザ・ウォーター」以来、落ちる一方だったM・ナイト・シャマランが、今作でついに復活。900万ドルの低予算(とは言え前作『ヴィジット』はそれより低い500万ドルだったのだが)で作られた今作は、全世界で2億7,500万ドルを売り上げ、続編製作も決まった。 密室劇で、キャストは主演のジェームズ・マカヴォイ以外、ほとんど無名。B級ホラーではよく見られることだが、シャマランが 目指したのもそれ。割り切って作られた今作は、怖がらせてもくれるし、笑わせてもくれる。 バカバカしくなる危険に満ちたこの役を引き受けたマカヴォイの勇気にも拍手。

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平沢 薫

スキンヘッドのマカヴォイと目力のヒロイン、俳優2人が強烈!

平沢 薫 評価: ★★★★★ ★★★★★

 いつものようにシャマラン監督らしい謎解きがあちこちに仕掛けられているだけではなく、今回は俳優2人が強烈。
 まず、ジェームズ・マカヴォイ。23の人格を持つ多重人格者の複数の人格に加え、別の人格のふりをする人格まで演じ分ける。しかもスキンヘッドに特殊メイクなしの、演技力のみで表現。その演技に目を奪われる。
 もう一人は、ヒロイン役のアニャ・テイラー=ジョイ。リドリー・スコットの息子ルーク・スコット監督のSF「モーガン プロトタイプL-9」で演じた人口生命体も印象的だったが、本作でも何かを強く見つめる時の目に、何か普通ではない力がある。彼女の出世作「ウィッチ」の7月日本公開も楽しみ。

この短評にはネタバレを含んでいます
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