シネマトゥデイ

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1970年代の邦画大作を思わせる大ぶりの熱気

  • 藁の楯 わらのたて
    ★★★★

    カンヌでの「荒唐無稽」という評価を待たずとも、リアリティの面では極めてツッコミどころの多い作品。しかしその脇の甘さも含めて「味」だと言ってしまいたい! 例えば『新幹線大爆破』など、1970年代の日本映画娯楽大作を復活させたような大ぶりの熱気があるのだ。大芝居系の俳優をメインにそろえた極太の筆致で(顔のドアップがやたら多い)、路上に風がびゅうびゅう吹いている大袈裟すぎるクライマックスなど、まさに「劇場型」の魅力。役者陣では意外に長江健次(中小企業のがけっぷち社長)の印象が強い。また原作者の木内一裕はヤンキー漫画『ビー・バップ・ハイスクール』で有名なあの「きうちかずひろ」! 彼は映画監督としても『カルロス』『鉄と鉛』『共犯者』などソリッドな秀作をモノにしており、自身で本作を映画化していたらまた異なる味に仕上がっただろう。


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森 直人

森 直人

略歴: 映画評論家、ライター。1971年和歌山生まれ。著書に『シネマ・ガレージ~廃墟のなかの子供たち~』(フィルムアート社)、編著に『21世紀/シネマX』『シネ・アーティスト伝説』『日本発 映画ゼロ世代』(フィルムアート社)『ゼロ年代+の映画』(河出書房新社)ほか。「週刊文春」「朝日新聞」「キネマ旬報」「TV Bros.」「メンズノンノ」「Numero TOKYO (Web)」「映画秘宝」などでも定期的に執筆中。

近況: インターネット番組『活弁シネマクラブ』でMC始めました(YouTubeにチャンネル登録)。3月15日より、映画ジャーナリストの徐昊辰さん(中国映画産業の現在)の回を配信中。ほか、二宮健監督(『チワワちゃん』『疑惑とダンス』)、広瀬奈々子監督(『夜明け』)、緒方貴臣監督(『飢えたライオン』)、関根光才監督(『太陽の塔』『生きてるだけで、愛。』)、武正晴監督(『銃』)、塚本晋也監督(『斬、』)の回が配信中。アーカイブ動画はいつでもYouTubeで無料で観れます。

サイト: http://morinao.blog.so-net.ne.jp/

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