跳躍し撹乱する斬新な活劇に対し、愛の尊さを知るドラマが弱い

2017年7月2日 清水 節 忍びの国 ★★★★★ ★★★★★

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忍びの国

 原作の怠け者という設定より、無気力無感動に映る大野智だが、いざ戦闘モードになれば、その生身のアクションは目覚ましい。軽やかに跳躍し、踊るように撹乱し、リズミカルにかわす。殺陣というよりも、いわば振付だが、魅せるパルクールと荒ぶる格闘技の融合は斬新だ。ただし、視覚効果を駆使したシーンになると、途端に決め画に乏しくなる。敵と味方が判然としない混沌とした乱世。殺戮へのこだわりという原作箇所の省略と徹底した軽さで語る話法は正解だが、己の欲得にのみ生きる“人でなし”が、大義や愛の尊さを知るまでの肝心のドラマは、しっかりと掘り下げて構築すべきだった。

清水 節

清水 節

略歴:映画評論家・クリエイティブディレクター●映画.com、シネマトゥデイ、FLIX●「PREMIERE」「STARLOG」等で執筆・執筆、「Dramatic!」編集長、海外TVシリーズ「GALACTICA/ギャラクティカ」DVD企画制作●著書に「いつかギラギラする日 角川春樹の映画革命」「新潮新書 スター・ウォーズ学」●WOWOW「ノンフィクションW 撮影監督ハリー三村のヒロシマ」企画・構成・取材で国際エミー賞、ギャラクシー賞、民放連最優秀賞 受賞

近況:●円谷プロ「ULTRAMAN ARCHIVES」クリエイティブディレクター●「シド・ミード展」未来会議ブレーン、図録寄稿●ニッポン放送「八木亜希子LOVE&MELODY」

サイト: http://eiga.com/extra/shimizu/

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