時として人は真実よりも嘘に救われる

2017年10月29日 なかざわひでゆき 婚約者の友人 ★★★★★ ★★★★★

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婚約者の友人

 第一次世界大戦後のドイツ。戦死した婚約者の墓前に現れた見知らぬフランス人男性。愛する人の親友だと名乗る若者に心を許し、悲しみを癒されるヒロインや家族だったが、しかし思いがけない真相が明かされていく。
 善と悪の境界線が曖昧な世の中で、時として人は真実よりも嘘に救われる。そんな「優しき嘘」を巡るミステリーだが、しかし同時に本作は「他者の痛み」に想いを馳せ「己の罪」と向き合う物語でもある。愛する人を戦場へ送り出し、死なせてしまったのは、敵も味方も同じだ。
 モノクロ映像で同時代的リアリズムを追求しつつ、随所にカラーを挿入することで詩的な抒情性を際立たせるフランソワ・オゾン監督の演出にも唸る。

なかざわひでゆき

なかざわひでゆき

略歴:日本大学芸術学部映画学科卒、同学部大学院卒。映画・海外ドラマのライターとしてキャリア30年。TVガイド誌やオンライン情報サイトなどを中心に幅広く執筆活動中。雑誌「スカパー!TVガイドBS+CS」(東京ニュース通信社刊)で15年続くコラム“映画女優LOVE”をはじめ各テレビガイド誌で特集記事やコラムを執筆。著書は「ホラー映画クロニクル」(扶桑社刊)、「アメリカンTVドラマ50年」(共同通信社刊)など。海外取材経験も多数。旧ソ連のモスクワ育ち。

近況:最近は今さらながらK-POPのボーイズバンドにドハマり中。一番の御贔屓はMCNDですが、NCTやTREASUREも大好き。もちろんBLACK PINKとかITZYとかEVERGLOWとかガールズにも夢中です。

サイト: http://eiga3mai.exblog.jp/

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