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氷菓 (2017):映画短評

氷菓 (2017)

2017年11月3日公開 114分

氷菓
(C) 2017「氷菓」製作委員会
なかざわひでゆき

長い時を経て甦る、熱き時代のほろ苦い青春の記憶

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 頭脳明晰だが合理的で醒めた男子高校生・奉太郎が、同じ古典部に所属する好奇心旺盛で活発な少女・のえるに誘発され、学園の日常を取り巻く様々な謎や疑問を解き明かしていくうち、33年前にのえるの叔父が関わった事件の真相へと迫っていく。
 とりあえず、時代設定は原作と同じ’00年なのだが、映画を見る限りでは分かりづらいのが少々難点。謎解きのミステリーとしても、ご都合主義的な点が目立つことは否めないだろう。
 ただ、学生運動の盛り上がった熱い時代の青春、その狂騒の中で大きな挫折や悲しみを味わった若者の声なき声が、長い時を経て現代の若者の心に共鳴していくストーリーには、ある種のロマンがある。

この短評にはネタバレを含んでいます
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