シネマトゥデイ

シネマトゥデイ

明らかに力作、真摯な熱作

  • 息衝く
    ★★★★

    世間からはカルト視もされるゴリゴリ左派のアングルから、震災後の日本社会の位相をじっくり見据えようとする試み。青臭い、といなす向きもあるかもしれないが、「加齢した若者」が抱える鬱屈は現代の成熟を考えるうえで重要な主題の一つだろう。映画の作りはごつごつして生硬だが、そこにも作り手の生理、血肉が通っている気がする。

    キャラクターとして強いのは失踪して隠遁生活を送っている元教祖の「森山さん」(寺十吾)。この人のやたら人懐っこく、独善的で説教好き、他者に対してアメとムチを本能的に使い分けるプチカリスマ感は非常にリアルだと思った。彼の登場からエンディングに向けては特に異様な迫力が漲り、余韻も深い。

⇒映画短評の見方

森 直人

森 直人

略歴: 映画評論家、ライター。1971年和歌山生まれ。著書に『シネマ・ガレージ~廃墟のなかの子供たち~』(フィルムアート社)、編著に『21世紀/シネマX』『シネ・アーティスト伝説』『日本発 映画ゼロ世代』(フィルムアート社)『ゼロ年代+の映画』(河出書房新社)ほか。「週刊文春」「朝日新聞」「キネマ旬報」「TV Bros.」「メンズノンノ」「Numero TOKYO (Web)」「映画秘宝」などでも定期的に執筆中。※illustrated by トチハラユミ画伯。

近況: YouTubeチャンネル『活弁シネマ倶楽部』でMC担当中。12月31日より、片山慎三監督(『岬の兄妹』)と『パラサイト 半地下の家族』を語り尽くす特番を配信。ほか、森達也監督&河村光庸プロデューサー(『i 新聞記者ドキュメント』)、小林啓一監督(『殺さない彼と死なない彼女』)、竹内洋介監督(『種をまく人』)、渡辺紘文監督&雄司さん(『普通は走り出す』など大田原愚豚舎の世界)、瀬々敬久監督(『楽園』)、今泉力哉監督(『アイネクライネナハトムジーク』)、二ノ宮隆太郎監督(『お嬢ちゃん』)、大森立嗣監督(『タロウのバカ』)、樋口尚文監督(『葬式の名人』)、映画ジャーナリストの徐昊辰さん(『SHADOW/影武者』&『帰れない二人』について)等々を配信中。アーカイブ動画は全ていつでも観れます。

サイト: https://morinao.blog.so-net.ne.jp/

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