シネマトゥデイ

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いまのN.Y.に60sニューシネマのナチュラルメイクを

  • まず画面の色味に惹かれた。お話は『卒業』や『さよならコロンバス』といった「お坊ちゃん(大卒)系ニューシネマ」を踏襲しつつ巧緻なひねりを加えたもので、音楽や衣裳も含めて雰囲気作りはバッチリ。サイモン&ガーファンクルのレコジャケ的世界とも言え、パスティーシュの工夫がN.Y.の街並みを数cmだけロマンティックに浮遊させる。

    内容はエディプス・コンプレックス――「父殺し」を主題とした通過儀礼の変奏。よく伏線が練られたミステリーの裏に、ほろ苦い青春の残響が複雑に折り重なっている。マーク・ウェブ監督としては『(500)日のサマー』の姉妹品。他人の脚本ながら、よりルーツに近いものを撮った気がする。

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森 直人

森 直人

略歴: 映画評論家、ライター。1971年和歌山生まれ。著書に『シネマ・ガレージ~廃墟のなかの子供たち~』(フィルムアート社)、編著に『21世紀/シネマX』『シネ・アーティスト伝説』『日本発 映画ゼロ世代』(フィルムアート社)『ゼロ年代+の映画』(河出書房新社)ほか。「週刊文春」「朝日新聞」「キネマ旬報」「TV Bros.」「メンズノンノ」「Numero TOKYO (Web)」「映画秘宝」などでも定期的に執筆中。

近況: BSスターチャンネルの無料放送番組「GO!シアター」、12月は『パッドマン 5億人の女性を救った男』『私は、マリア・カラス』『それだけが、僕の世界』についてコメントしています。執筆参加した『世界のカルト監督列伝』『鬱な映画』『漫画+映画!』『新世紀ミュージカル映画進化論』『究極決定版 映画秘宝オールタイム・ベスト10』(いずれも洋泉社)が発売中です。

サイト: http://morinao.blog.so-net.ne.jp/

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