シネマトゥデイ

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「監視」をファンタジーへと反転させた空想ラブロマンス

  • きみへの距離、1万キロ
    ★★★★★

     テクノロジーが可能にした「監視」というモチーフは、遙か異国の不審者をクリックひとつで一掃する倫理観を問う『ドローン・オブ・ウォー』や『アイ・イン・ザ・スカイ』を生んだが、この映画はプライバシーへの介入という問題を善意で捉え、ファンタジーに反転させる。北アフリカの砂漠地帯を監視するアメリカの青年が、失意の女性と出会う。間を取り持つのは、高性能の眼を有し悪所でも移動可能で多言語翻訳可能な、蜘蛛型監視ロボット。男女を引き合わせるきっかけとなる、事件をめぐる感情描写は疎かだ。しかし時空を超える『君の名は。』よりも現実的な、奇跡の出会いは清々しい。分断をも乗り越える、空想ラブロマンスの佳作である。

⇒映画短評の見方

清水 節

清水 節

略歴: 映画評論家・クリエイティブディレクター●映画.com、シネマトゥデイ、FLIX、ニッポン放送●過去に「PREMIERE」「STARLOG」等で執筆・執筆、「Dramatic!」編集長、海外TVシリーズ「GALACTICA/ギャラクティカ」DVD企画制作●著書に「いつかギラギラする日 角川春樹の映画革命」「新潮新書 スター・ウォーズ学」●WOWOW「ノンフィクションW 撮影監督ハリー三村のヒロシマ」企画・構成・取材で国際エミー賞、ギャラクシー賞、民放連最優秀賞 受賞

近況: ●FLIX special「パシフィック・リム:アップライジング+ギレルモ・デル・トロ」●kotoba春号「特集:ブレードランナー2019-2049」●デジタルハリウッド大学「アニメフォーラム」講演●映画.comコラム●「Pen」SF特集/●NHK BSプレミアム「ザ・ベストテレビ」出演●ニッポン放送「八木亜希子LOVE&MELODY」●TOKYO FM「ピートのふしぎなガレージ」

サイト: http://eiga.com/extra/shimizu/

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