シネマトゥデイ

シネマトゥデイ

親の身勝手な幸福追求の代償「子供の失踪」が問いかけるもの

  • ラブレス
    ★★★★

     サム・メンデスの『アメリカン・ビューティー』が戯画的すぎるように思え、ナンニ・モレッティの『息子の部屋』が優しすぎるように感じるほど、ロシアの鬼才アンドレイ・ズビャギンツェフが、家族の亀裂を見つめる眼差しは冷徹極まりない。夫婦のそれぞれが別の相手との関係に希望を見出す中、忘れ去られた小さな息子の存在が浮き彫りになってくる。プーチン体制の支配下で息苦しさが募る人々をテレビが映し出し、崩壊した家族の肖像が、社会の危機として普遍化されていく。両親の諍いが子を失踪させるという現実はわが国でも多発しているが、ここでは寒々しい光景、必死の捜索、そして重い顛末から、強い怒りと深い絶望が伝わってくる。

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清水 節

清水 節

略歴: 映画評論家・クリエイティブディレクター●映画.com、シネマトゥデイ、FLIX、ニッポン放送●過去に「PREMIERE」「STARLOG」等で執筆・執筆、「Dramatic!」編集長、海外TVシリーズ「GALACTICA/ギャラクティカ」DVD企画制作●著書に「いつかギラギラする日 角川春樹の映画革命」「新潮新書 スター・ウォーズ学」●WOWOW「ノンフィクションW 撮影監督ハリー三村のヒロシマ」企画・構成・取材で国際エミー賞、ギャラクシー賞、民放連最優秀賞 受賞

近況: ●FLIX special「パシフィック・リム:アップライジング+ギレルモ・デル・トロ」●kotoba春号「特集:ブレードランナー2019-2049」●デジタルハリウッド大学「アニメフォーラム」講演●映画.comコラム●「Pen」SF特集/●NHK BSプレミアム「ザ・ベストテレビ」出演●ニッポン放送「八木亜希子LOVE&MELODY」●TOKYO FM「ピートのふしぎなガレージ」

サイト: http://eiga.com/extra/shimizu/

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