シネマトゥデイ

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イノセントへの志向の裏に

  • モリのいる場所
    ★★★★★

    沖田修一監督の「若年寄」イズムが十全に発揮された一本。朴訥かつ巧緻な味わいの中に、微量の毒や風刺精神がぴりっと効いている。山崎努が自身のアイドルと語る熊谷守一の大切な企画を、ベテランではなく沖田監督に任せた事自体に感動。昆虫学者ファーブルの「アルマスの庭」等を連想する庭の造形と描写も素晴らしく、まさにひとつの宇宙といった趣。

    設定は昭和49年、高度経済成長の延長で都市化の波が起こっており、美大生達による建設反対運動は三里塚闘争にリンクする時代の雰囲気アリ(その一方、お茶の間的なドリフターズの話題が出るさじ加減がいい)。樹木希林つながりの他、問題提起の在り方としても『人生フルーツ』に通じる。

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森 直人

森 直人

略歴: 映画評論家、ライター。1971年和歌山生まれ。著書に『シネマ・ガレージ~廃墟のなかの子供たち~』(フィルムアート社)、編著に『21世紀/シネマX』『シネ・アーティスト伝説』『日本発 映画ゼロ世代』(フィルムアート社)『ゼロ年代+の映画』(河出書房新社)ほか。「週刊文春」「朝日新聞」「キネマ旬報」「TV Bros.」「メンズノンノ」「週刊プレイボーイ」「映画秘宝」などでも定期的に執筆中。

近況: テアトル新宿にて『素敵なダイナマイトスキャンダル』トークイベント。4月14日(土)23:00~スタート「末井昭オールナイト」の上映前、末井昭さん×柄本佑さん×冨永昌敬監督のMCを務めます。BSスターチャンネルの無料放送番組「GO!シアター」、4月は『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』(一週目)、『心と体と』(二週目)、『タクシー運転手』(三週目)、『ザ・スクエア 思いやりの聖域』(四週目)についてコメントしています。同じく同番組内「映画をもっと SPトーク」で「THE 映画対決!強盗VS刑事」にも出演しております。執筆参加した『世界のカルト監督列伝』『鬱な映画』『漫画+映画!』『新世紀ミュージカル映画進化論』『究極決定版 映画秘宝オールタイム・ベスト10』(いずれも洋泉社)が発売中です。

サイト: http://morinao.blog.so-net.ne.jp/

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