シネマトゥデイ

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イノセントへの志向の裏に

  • モリのいる場所
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    沖田修一監督の「若年寄」イズムが十全に発揮された一本。朴訥かつ巧緻な味わいの中に、微量の毒や風刺精神がぴりっと効いている。山崎努が自身のアイドルと語る熊谷守一の大切な企画を、ベテランではなく沖田監督に任せた事自体に感動。昆虫学者ファーブルの「アルマスの庭」等を連想する庭の造形と描写も素晴らしく、まさにひとつの宇宙といった趣。

    設定は昭和49年、高度経済成長の延長で都市化の波が起こっており、美大生達による建設反対運動は三里塚闘争にリンクする時代の雰囲気アリ(その一方、お茶の間的なドリフターズの話題が出るさじ加減がいい)。樹木希林つながりの他、問題提起の在り方としても『人生フルーツ』に通じる。

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森 直人

森 直人

略歴: 映画評論家、ライター。1971年和歌山生まれ。著書に『シネマ・ガレージ~廃墟のなかの子供たち~』(フィルムアート社)、編著に『21世紀/シネマX』『シネ・アーティスト伝説』『日本発 映画ゼロ世代』(フィルムアート社)『ゼロ年代+の映画』(河出書房新社)ほか。「週刊文春」「朝日新聞」「キネマ旬報」「TV Bros.」「メンズノンノ」「Numero TOKYO (Web)」「映画秘宝」などでも定期的に執筆中。

近況: インターネット番組『活弁シネマクラブ』でMC始めました(YouTubeにチャンネル登録)。3月20日より、片山慎三監督×松浦祐也さん×和田光沙さん(『岬の兄妹』チーム)の回を配信中。ほか、映画ジャーナリストの徐昊辰さん(中国映画産業の現在)、二宮健監督(『チワワちゃん』『疑惑とダンス』)、広瀬奈々子監督(『夜明け』)、緒方貴臣監督(『飢えたライオン』)、関根光才監督(『太陽の塔』『生きてるだけで、愛。』)、武正晴監督(『銃』)、塚本晋也監督(『斬、』)の回が配信中。アーカイブ動画はいつでもYouTubeで無料で観れます。

サイト: http://morinao.blog.so-net.ne.jp/

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