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MIFUNE:THE LAST SAMURAI (2016):映画短評

MIFUNE:THE LAST SAMURAI (2016)

2018年5月12日公開 80分

MIFUNE:THE LAST SAMURAI
(C) ”MIFUNE:THE LAST SAMURAI”Film Partners (C) TOHO CO.,LTD.

ライター2人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 4

なかざわひでゆき

世界のミフネは映画史における唯一無二の存在

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 日本映画が世界に誇る大スター、三船敏郎のキャリアを関係者の証言で振り返るドキュメンタリー。全米公開から1年半以上を経ての日本封切りはさすがに遅いし、そもそももっと早く作られるべき作品だったように思うが、まあ、昔から海外で評価されて初めて自国文化の価値を知るような国なので仕方ないか。
 その長いキャリアと膨大な出演作に比して80分の短い上映時間は物足りなくも感じるが、今は亡き土屋嘉男や加藤武らの貴重なインタビューは嬉しい。スピルバーグ監督が『七人の侍』で三船の演じた菊千代を「地下の地震活動から生まれたような男」と評するのはまさにその通りで、改めて映画史において唯一無二の存在であったと痛感する。

この短評にはネタバレを含んでいます
清水 節

革新的なヒーロー像で世界に影響を与えた「三船敏郎」を再発見

清水 節 評価: ★★★★★ ★★★★★

 チャンバラの歴史から語り起こし、三船敏郎のサムライ像がいかに革新的であったか、そのヒーロー像が世界に影響を与えた事実を、代表作の映像と豊富なスチル写真で明快に提示していく。映画通にとっては常識的な内容でも、継承力が弱まった今、貴重な映画史テキストだ。関係者の言葉の端々にカリスマへの愛が滲み出る。晩年の証言は切ない。『蜘蛛巣城』の危険な撮影をスコセッシはキートンを引き合いにして語り、黒澤との絆によって三船は独自にキャラ造形しアートを生み出したとするスピルバーグの分析も重要。2014年に発掘された、カラー8ミリフィルムによる『用心棒』メイキング映像(撮影:田中友幸P)のインサートにも着目せよ。

この短評にはネタバレを含んでいます
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