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3人だけの心理劇に、多種多様な主題が潜む

2018年6月18日 平沢 薫 死の谷間 ★★★★★ ★★★★★

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死の谷間

 黙示録SFだが、核は静かな心理劇。登場人物はわずか3人、描かれるのは彼らの関係性のみ。そのように構成要素を必要最小限に絞りこんでいるのに、その物語には、同胞意識、恋愛感情、人種差別、宗教観など多種多様かつ複雑なテーマが盛り込まれている。
 彼ら3人の言動と行為は一致しないが、それは彼らの意識と無意識が同じものではないからだ。その二つの微妙な差異が、人物たちの表情や動作の微細な変化として表現されて、その積み重ねによって物語が紡がれていく。その背景に緑の生い茂る森がある。
 監督は「コンプライアンス 服従の心理」のクレイグ・ゾベル。映画を見終わった後に、長く余韻が残る。

平沢 薫

平沢 薫

略歴:映画ライター。視覚に訴えかけるビジュアルの派手な映画がお気に入り。「SCREEN」「SCREEN ONLINE」「Movie Walker」「日経エンタテインメント!」「DVD&動画配信でーた」「キネマ旬報」「SFマガジン」「映画.com」等で執筆。他に「キングスマン:ゴールデン・サークル」ノベライズ、「グレートウォール」ノベライズ、「X-ファイル 2016」ノベライズ、「フランケンウィーニー」ノベライズ、「「ターミネーター:新起動/ジェニシス ビジュアルガイド」翻訳など。ウェブで映画やTVドラマのニュースを追いかけ中

近況:SFアニメ・アンソロジー『ラブ、デス&ロボット』@Netflix のシーズン3が配信に。今回の裏テーマは黙示録? ティム・ミラー監督『巣』の原作はブルース・スターリング。シーズン1『目撃者』のスペイン出身監督アルベルト・ミエルゴの『彼女の声』のビジュアルも強烈。

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