シネマトゥデイ

シネマトゥデイ

社会的な「成熟」にまつわるビタースウィートな恋愛劇

  • セレステ∞ジェシー
    ★★★★★

    これは受け手の年齢、世代、人生観や恋愛観のタイプによって、かなり評価が分かれるかも。おすすめしたいのは自分がモラトリアム人間、つまり「大人になりきれない大人」という自覚のある30代~40代の観客(笑)。メインモチーフとなるのは男女間の友情だが、まだマッチョイズムの強い『恋人たちの予感』(89年)や、ジェンダーの壁に斬りこむ『ベスト・フレンズ・ウェディング』(97年)と異なり、社会的な「成熟」という問題を扱っているところに今の時代の気分がある。その意味では自己中なアラフォー女性の空回りを描いた『ヤング≒アダルト』(11年)に近いだろう。加えて本作の美点はハリウッド的なラブコメではなく、インディペンデントの散文的な(SNS的な?)親密さや繊細さがあること。観賞後もビタースウィートな味わいと相まって、オープニングに流れるリリー・アレンの名曲「リトレスト・シングス」が脳裏から離れない。

⇒映画短評の見方

森 直人

森 直人

略歴: 映画評論家、ライター。1971年和歌山生まれ。著書に『シネマ・ガレージ~廃墟のなかの子供たち~』(フィルムアート社)、編著に『21世紀/シネマX』『シネ・アーティスト伝説』『日本発 映画ゼロ世代』(フィルムアート社)『ゼロ年代+の映画』(河出書房新社)ほか。「週刊文春」「朝日新聞」「キネマ旬報」「TV Bros.」「メンズノンノ」「週刊プレイボーイ」「Numero TOKYO (Web)」「映画秘宝」などでも定期的に執筆中。

近況: 10月28日(日)下北沢映画祭のプログラム「演劇×映画の可能性」で、松居大悟監督のお話の聞き手を務めます(北沢タウンホールにて)。BSスターチャンネルの無料放送番組「GO!シアター」、10月は『ピッチ・パーフェクト ラストステージ』『ガンジスに還る』についてコメントしています。執筆参加した『世界のカルト監督列伝』『鬱な映画』『漫画+映画!』『新世紀ミュージカル映画進化論』『究極決定版 映画秘宝オールタイム・ベスト10』(いずれも洋泉社)が発売中です。

サイト: http://morinao.blog.so-net.ne.jp/

» 森 直人 さんの映画短評をもっと読む

[PR]
おすすめ特集
映画アクセスランキング
  • Loading...
»もっとランキングを見る«
楽天市場
スポンサード リンク