教師と子供たちが「喜び」に近づいていく

2018年8月13日 平沢 薫 オーケストラ・クラス ★★★★★ ★★★★★

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オーケストラ・クラス

 壮年のヴァイオリニストが、コンサートで演奏しても喜びがなくなったと言って演奏活動から去り、それとは別のところで喜びを得ようとする。そういう「喜び」について描く作品。バイオリニストが子供たちに楽器演奏を教える話ではあり、教師と問題児たちのあれこれや、問題が起きて結束するという展開は定石通りだが、子供たちの楽器演奏技術が上達していく話ではなく、子供たちが楽器を演奏することで無意識に誇らしい表情になっていく、そんな物語になっている。教師も子供たちも、映画の中ではまだ「喜び」を手に入れるには至っていないかもしれないが、確実にそれに近づいている。そういう「喜び」がスクリーンの上に映し出される。

平沢 薫

平沢 薫

略歴:映画ライター。視覚に訴えかけるビジュアルの派手な映画がお気に入り。「SCREEN」「SCREEN ONLINE」「キネマ旬報」「SFマガジン」「映画.com」「Movie Walker」等で執筆。他に「キングスマン:ゴールデン・サークル」ノベライズ、「グレートウォール」ノベライズ、「X-ファイル 2016」ノベライズ、「フランケンウィーニー」ノベライズ、「「ターミネーター:新起動/ジェニシス ビジュアルガイド」翻訳など。ウェブで映画やTVドラマのニュースを追いかけ中

近況:「ザ・ループ TALES FROM THE LOOP」@Amazon Prime の世界が静かで寒くて切ない。クリエイター・コンビの一人は、ディストピア画集「エレクトリック・ステイト」のシモン・ストーレンハーグ。もう一人は「レギオン」「アウトキャスト」の脚本家ナサニエル・ハルパーン。この2人にピンとくるなら必見。

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