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かごの中の瞳 (2016):映画短評

かごの中の瞳 (2016)

2018年9月28日公開 109分

かごの中の瞳
(C) 2016 SC INTERNATIONAL PICTURES. LTD

ライター2人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3

なかざわひでゆき

『プーと大人になった僕』の監督によるアダルトな官能サスペンス

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 『プーと大人になった僕』が評判のマーク・フォースター監督。これはその前作に当たるのだが、ある意味で真逆なアダルト路線の官能サスペンスである。主人公は幼少期に交通事故で失明した女性と、彼女を献身的に支え続けてきた夫。だが、角膜手術で妻が視力を取り戻したことから、「かごの中の鳥」のような生活から解放された妻と、いつまでも彼女を独占していたい夫との間に溝が生じ、やがて夫の嫉妬心が暴走していく。夫役がジェイソン・クラークという時点でヤバい空気が漂ってるし、ストーリーもやや安直に感じられるが、ヒロインの主観世界を再現した幻想的な映像と音響効果、夫婦関係の微妙な変化を性生活から捉えた語り口は面白い。

この短評にはネタバレを含んでいます
平沢 薫

ヒロインの視力が変わり、映像も変幻する

平沢 薫 評価: ★★★★★ ★★★★★

 主人公の視力が変化し、それに伴って彼女の主観映像が変わっていく。視力を失っている時は、彼女が脳裏に描くイメージがスクリーンに現れる。ときには映像が彼女の感じる触覚を伝えようとする。視力が回復していくのに連れて、ほとんど明暗と曖昧な色彩だけの映像が、ある部分にだけ焦点が合った映像になり、次第に全体が見える映像になっていく。この映像の変化は、ヒロインの視覚だけではなく、意識や感情の変化を表現している。そして、それらタイプの異なる映像に、それぞれ別種の美が備わっている。撮影はマティアス・クーニクスヴィーザー。彼が撮影したエディ・アルカザール監督の「Perfect」「0000」も気になる。

この短評にはネタバレを含んでいます
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