ソフト化のタイミングで未見の方はぜひ!

2018年11月26日 森 直人 パンとバスと2度目のハツコイ ★★★★★ ★★★★★

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パンとバスと2度目のハツコイ

劇場公開時に書き損ねたので遅ればせながらの賛辞を。今泉力哉イズムの恋愛輪舞が商業映画の企画内で端正かつ高精度にまとまった逸品。「好き」の不安定・不確定と絵を描くことの終わりを巧く掛けたオリジナル脚本。ポール・オースター『孤独の発明』(使い方がわりに村上春樹的)なども伏線のピースというより出汁のもと的な余白として効いてくる。この辺りのセンスは上等。

そして何より役者の良さだ。ヒロイン・深川麻衣をはじめ、妹・志田彩良、達者な伊藤沙莉(設定に注目)の魅力。とりわけ「非文化系」の好青年、三代目JSBの山下健二郎のキャラは今泉の画期ではないか。マイペースな作家の確かな自己更新が見て取れる嬉しい一本。

森 直人

森 直人

略歴:映画評論家、ライター。1971年和歌山生まれ。著書に『シネマ・ガレージ~廃墟のなかの子供たち~』(フィルムアート社)、編著に『21世紀/シネマX』『シネ・アーティスト伝説』『日本発 映画ゼロ世代』(フィルムアート社)『ゼロ年代+の映画』(河出書房新社)ほか。「週刊文春」「朝日新聞」「キネマ旬報」「メンズノンノ」「Numero TOKYO 」「映画秘宝」などでも定期的に執筆中。※illustrated by トチハラユミ画伯。

近況:YouTubeチャンネル『活弁シネマ倶楽部』でMC担当中。11月21日より、佐藤快磨監督(『泣く子はいねぇが』)の回を配信中。ほか、渡辺紘文監督&雄司さん(大田原愚豚舎の世界Vol.2)、黒沢清監督(『スパイの妻』。月永理絵さんとのダブルMC)、原一男監督&島野千尋プロデューサー(『れいわ一揆』)、行定勲監督 feat.東紗友美さん(『窮鼠はチーズの夢を見る』)、足立紳監督(『喜劇 愛妻物語』)、荒木伸二監督 feat.SYOさん(『人数の町』)、城定秀夫監督&平井珠生さん(『アルプススタンドのはしの方』)、田中圭監督(『島にて』)、内藤瑛亮監督(『許された子どもたち』)、諏訪敦彦監督(『風の電話』)、想田和弘監督(『精神0』)、深田晃司監督(『本気のしるし』)、豊島圭介監督(『三島由起夫vs東大全共闘』)、入江悠監督(『AI崩壊』)、タナダユキ監督(『ロマンスドール』)、岩井澤健治監督&大橋裕之さん(『音楽』)、片山慎三監督(『岬の兄妹』)と『パラサイト 半地下の家族』を語り尽くす特番、森達也監督&河村光庸プロデューサー(『i 新聞記者ドキュメント』)、小林啓一監督(『殺さない彼と死なない彼女』)、竹内洋介監督(『種をまく人』)、渡辺紘文監督&雄司さん(『普通は走り出す』など大田原愚豚舎の世界)、瀬々敬久監督(『楽園』)、今泉力哉監督(『アイネクライネナハトムジーク』)、二ノ宮隆太郎監督(『お嬢ちゃん』)、大森立嗣監督(『タロウのバカ』)等々を配信中。アーカイブ動画は全ていつでも観れます。

サイト: https://morinao.blog.so-net.ne.jp/

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