シネマトゥデイ

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マリ子の炎上ロストワールド

  • たまゆらのマリ子
    ★★★★

    驚き! 「ストレスの肥大」の視覚化でこんなに巧いのは見たことないかも。クソな環境に身を置いて不満を内に溜め込んでいくと、負のセンサーがやたら過敏になる。やがて怒りの質量がどんどん重くなり、エフェクトを掛けるように体感する現実そのものが幻想と混濁して変容していく。

    この感覚を「芝居と実景」だけで見事に表現しているのだ。瀬川浩志監督の語り口はリアリズムからの拡張という生命線を手放さず、本質的な意味で優れたシュルレアリスム映画だなと思うのだが、普段は標準語、だんだん心の声の凶暴な関西弁が漏れまくっていく主婦マリ子(牛尾千聖)の転がり方はスラップスティック的でもあり、バスター・キートンも連想した。

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森 直人

森 直人

略歴: 映画評論家、ライター。1971年和歌山生まれ。著書に『シネマ・ガレージ~廃墟のなかの子供たち~』(フィルムアート社)、編著に『21世紀/シネマX』『シネ・アーティスト伝説』『日本発 映画ゼロ世代』(フィルムアート社)『ゼロ年代+の映画』(河出書房新社)ほか。「週刊文春」「朝日新聞」「キネマ旬報」「TV Bros.」「メンズノンノ」「Numero TOKYO (Web)」「映画秘宝」などでも定期的に執筆中。

近況: BSスターチャンネルの無料放送番組「GO!シアター」、12月は『パッドマン 5億人の女性を救った男』『私は、マリア・カラス』『それだけが、僕の世界』についてコメントしています。執筆参加した『世界のカルト監督列伝』『鬱な映画』『漫画+映画!』『新世紀ミュージカル映画進化論』『究極決定版 映画秘宝オールタイム・ベスト10』(いずれも洋泉社)が発売中です。

サイト: http://morinao.blog.so-net.ne.jp/

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