シネマトゥデイ

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画面を埋め尽くす肉を突き抜けていくものがある

  • 暁に祈れ
    ★★★★★

     肉、肉、肉。筋肉が画面を埋め尽くす。熱気と湿度が充満するタイの刑務所、男たちは上半身裸で、タトゥーで飾った筋肉を誇示し合う。そのうえボクシングの前には素手で白い油脂から油をえぐり取り、それを筋肉の表面に塗るので、肉の塊に油まで加わり、ムッとする匂いにむせるような錯覚に陥る。
     しかし、にもかかわらず、これは肉だけを描く映画ではない。画面では肉がひしめき合い、その肉が殴り合い、膨れ上がり、血が流される。肉と肉が、汚いことを繰り返す。そういうものを映し出しながら、映画は、それらの肉を突き抜けていく、何かひどく単純で純粋なものを捉えようとしているように見えてくるのだ。

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平沢 薫

平沢 薫

略歴: 映画ライター。視覚に訴えかけるビジュアルの派手な映画がお気に入り。「SCREEN」「キネマ旬報」「SFマガジン」「映画.com」等で執筆。著作に「キングスマン:ゴールデン・サークル」ノベライズ、「グレートウォール」ノベライズ、「X-ファイル 2016」ノベライズ、「フランケンウィーニー」ノベライズ、「「ターミネーター:新起動/ジェニシス ビジュアルガイド」翻訳など。ウェブで映画やTVドラマのニュースを追いかけ中

近況: 2019年に新シーズンがスタートする「ゲーム・オブ・スローンズ」や「ストレンジャー・シングス」の予告編が登場して、ワクワク。

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