シネマトゥデイ

シネマトゥデイ

ベッドルームと世界の痛みの狭間で

  • 『ムーンライト』に続くB・ジェンキンス監督作だが、本当に独特。演出の呼吸はさらに濃厚で、極上のまろやかな甘み。ブラックムーヴィーの基本線が尖った戦闘性にあるとしたら、これは同じくハードな環境を扱いながら、当たりが丸く柔らかい。カメラは間近で人物に寄り添い、吐息で体温高め。いわゆる風景描写がほとんどない。

    原作は1974年の出版だが(音楽ではニューソウルの沸騰期だ)、『私はあなたのニグロではない』が示したように、作家J・ボールドウィンは今の問題として浮上している。混沌とした世界の中、N.Y.ハーレムのストリートで『また逢う日まで』ばりの「純愛」が奏でられる。我々のすぐ隣にもある街角の物語だ。

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森 直人

森 直人

略歴: 映画評論家、ライター。1971年和歌山生まれ。著書に『シネマ・ガレージ~廃墟のなかの子供たち~』(フィルムアート社)、編著に『21世紀/シネマX』『シネ・アーティスト伝説』『日本発 映画ゼロ世代』(フィルムアート社)『ゼロ年代+の映画』(河出書房新社)ほか。「週刊文春」「朝日新聞」「キネマ旬報」「TV Bros.」「メンズノンノ」「Numero TOKYO (Web)」「映画秘宝」などでも定期的に執筆中。

近況: 謹賀新年! インターネット番組『活弁シネマクラブ』(https://freshlive.tv/katsuben_cinema)のコーナー「浅草ダイレクトシネマ」でMC始めました(YouTubeにチャンネル登録も)。1月18日より、関根光才監督(『太陽の塔』『生きてるだけで、愛。』)の回を配信中。ほか、塚本晋也監督(『斬、』)、武正晴監督(『銃』)の回が配信中。アーカイブ動画はいつでも無料で観れます。BSスターチャンネルの無料放送番組「GO!シアター」、1月は『夜明け』についてコメントしています。執筆参加した『世界のカルト監督列伝』『鬱な映画』『漫画+映画!』『新世紀ミュージカル映画進化論』(いずれも洋泉社)が発売中です。

サイト: http://morinao.blog.so-net.ne.jp/

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