シネマトゥデイ

シネマトゥデイ

NY、地上も地下も地獄

  • マンハッタンの安アパートに住む不法移民のヒロイン。彼女がバスルームに入っていると、赤い壁から大きな虫がいっぱい湧いて出てくる……。初期アベル・フェラーラを彷彿させる、都市の闇から膿が噴き出すような現実と幻覚が混濁した感覚。本作の地獄めぐりは、スペイン出身アナ・アセンシオ監督自身の実体験を基にしたものだという。

    後半部にもライン超えの眩惑に導く演出や発想があればと思うが、例えば『ホステル』的な突き抜け方を避けたのが、監督の選んだ“告発的リアリズム”なのもしれない。ここでグロテスクに描かれる「白人と移民の関係」は、ウルリヒ・ザイドルが『パラダイス:愛』や『サファリ』で提示したのと同質のものだ。

⇒映画短評の見方

森 直人

森 直人

略歴: 映画評論家、ライター。1971年和歌山生まれ。著書に『シネマ・ガレージ~廃墟のなかの子供たち~』(フィルムアート社)、編著に『21世紀/シネマX』『シネ・アーティスト伝説』『日本発 映画ゼロ世代』(フィルムアート社)『ゼロ年代+の映画』(河出書房新社)ほか。「週刊文春」「朝日新聞」「キネマ旬報」「TV Bros.」「メンズノンノ」「Numero TOKYO (Web)」「映画秘宝」などでも定期的に執筆中。

近況: 謹賀新年! インターネット番組『活弁シネマクラブ』(https://freshlive.tv/katsuben_cinema)のコーナー「浅草ダイレクトシネマ」でMC始めました。塚本晋也監督(『斬、』)、武正晴監督(『銃』)の回が配信中。アーカイブ動画はいつでも無料で観れます。BSスターチャンネルの無料放送番組「GO!シアター」、1月は『夜明け』についてコメントしています。執筆参加した『世界のカルト監督列伝』『鬱な映画』『漫画+映画!』『新世紀ミュージカル映画進化論』(いずれも洋泉社)が発売中です。

サイト: http://morinao.blog.so-net.ne.jp/

» 森 直人 さんの映画短評をもっと読む

[PR]
おすすめ特集
映画アクセスランキング
  • Loading...
»もっとランキングを見る«
楽天市場
スポンサード リンク