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ナポリの隣人 (2017):映画短評

ナポリの隣人 (2017)

2019年2月9日公開 108分

ナポリの隣人
(C) 2016 Pepito Produzioni
なかざわひでゆき

古き良き理想の家族像に縛られた人々の不幸

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 日本公開は7年前の『最初の人間』以来となる、イタリアの巨匠ジャンニ・アメリオの最新作。実の子供たちとわだかまりを抱えた気難しい孤独な独居老人が、若い隣人一家との疑似家族的な関係に救いを求めるも、やがてその一家に思いがけない悲劇が降りかかる。舞台となるナポリ(および南イタリア全般)は昔から家族主義の根強い地域だ。しかし、時代の変化に伴って個人主義が広く浸透すると、おのずと人々の間に価値観のズレが生じる。社会が大きく変容を遂げたにも関わらず、依然として残る昔ながらの理想の家族像。それが主人公たちを苦しめるのだ。これは日本人にとっても身に詰まされる話かもしれない。

この短評にはネタバレを含んでいます
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