距離感と温度感の大勝利

満員御礼の劇場で鑑賞。国民的ヒット作へと伸びてる気配だが、まあ大きく言うと、トランプ風刺にも思えますね(笑)。バックラッシュ時代の身も蓋もなさと現状のフラット化(埼玉化)での挟み撃ちが絶妙。大らかに笑い飛ばすのがおそらく地域差別への最適解で、「程良い解放」に満ちている。『SR サイタマノラッパー』から10年、ある成熟を感じるなあ。
漫画原作映画という日本の特殊文脈の中で、『テルマエ・ロマエ』に続き結構なスケールでニセ世界をバラエティ的に構築する武内英樹監督の力量は突出。「小倉優子(千葉)、弱い!」とかウケたわ。二階堂ふみは三島由紀夫やヴィスコンティ的にもなるが、BLへの距離感も「大衆的」。