シネマトゥデイ

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意識的に「イタリア映画」の命脈をつなぐ

  • 幸福なラザロ
    ★★★★★

    伊映画の優等生的な嫡子、アリーチェ・ロルヴァルケル監督。まだ長編三作目ながら前作『夏をゆく人々』からの飛躍が大きく、今回は傑作の域ではないか。ベースは実際の事件と福音書の挿話「金持ちとラザロ」の接続。全体は『イワンのばか』的な無垢なる聖人譚を経済競争のシステムにぶつけた風刺劇に仕上げている。

    ヴィスコンティの『山猫』でA・ドロンが演じた貴族の青年タンクレディが役名として引用されているが、下層に密着したネオレアリズモと神話性の融合は初期パゾリーニを連想させるもの。フィルム(スーパー16mm)撮影も含め、デジタル化に抵抗するオーガニックシネマの趣。ラザロ役(染谷将太っぽい)など役者もみんないい!

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森 直人

森 直人

略歴: 映画評論家、ライター。1971年和歌山生まれ。著書に『シネマ・ガレージ~廃墟のなかの子供たち~』(フィルムアート社)、編著に『21世紀/シネマX』『シネ・アーティスト伝説』『日本発 映画ゼロ世代』(フィルムアート社)『ゼロ年代+の映画』(河出書房新社)ほか。「週刊文春」「朝日新聞」「キネマ旬報」「TV Bros.」「メンズノンノ」「Numero TOKYO (Web)」「映画秘宝」などでも定期的に執筆中。※illustrated by トチハラユミ画伯。

近況: 5月25日(土)立川シネマシティCスタジオにて、『鉄男』生誕30周年記念! 『鉄男 THE BULLET MAN』上映前18時からのトークMCを担当いたします。インターネット番組『活弁シネマクラブ』でMC担当中(YouTubeにチャンネル登録)。4月28日より、武正晴監督×脚本・足立紳さん(『きばいやんせ!私』)の回を配信中。ほか、映画ジャーナリストの徐昊辰さん(『芳華-Youth-』討論)、三宅唱監督(『ワイルドツアー』)、佐向大監督(『教誨師』)、片山慎三監督×松浦祐也さん×和田光沙さん(『岬の兄妹』チーム)、二宮健監督(『チワワちゃん』『疑惑とダンス』)、広瀬奈々子監督(『夜明け』)、緒方貴臣監督(『飢えたライオン』)、関根光才監督(『太陽の塔』『生きてるだけで、愛。』)等々を配信中。アーカイブ動画はいつでもYouTubeで無料で観れます。

サイト: http://morinao.blog.so-net.ne.jp/

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