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RBG 最強の85才 (2018):映画短評

RBG 最強の85才 (2018)

2019年5月10日公開 98分

RBG 最強の85才
(C) Cable News Network. All rights reserved.

ライター4人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 5

なかざわひでゆき

男女平等は女性だけでなく男性を解放する理念でもある

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 過去50年以上に渡り、アメリカ女性の権利向上のために闘ってきた、米最高裁判事ルース・ベイダー・ギンズバーグの素顔に迫るドキュメンタリーだ。女傑のイメージとは程遠い穏やかで控えめな女性だが、しかし内側には燃えるような情熱を秘める。その揺るぎない信念の神髄は、「性差別は万人を傷つける」という彼女の言葉に集約されるだろう。男女平等は女性だけでなく男性を解放する理念でもあるのだ。「彼は自分の能力に自信があったから私の知性を脅威とみなさなかった」という夫マーティンとの深い夫婦愛にも感動。日本社会における権利意識の未成熟が様々な場面で露呈している昨今、人権とはなにか、平等とはなにかを学ぶ上でも必見。

この短評にはネタバレを含んでいます
山縣みどり

可愛い猛女の素顔は想像以上にすごかった

山縣みどり 評価: ★★★★★ ★★★★★

映画『ビリーブ』でルース・ベイダー・ギンズバーグの功績(の一部!)を知ったら、本作で本人の実像に迫って欲しい。映画では描ききれなかったRBGのタフさの秘密やフェミニストな夫との愛に満ちた生活、ワークアウトや法衣のカラーに隠された秘密などが次々と描かれる。女性監督らしい着眼点が明かすRBGの知られざる素顔はもちろん、自身の言葉で語られるRBG像が非常に興味深い。たおやかともいえる物腰に隠したチタン製のど根性がどのようにして培われたのか? 親の姿勢や教育って本当に重要だと思い知る。民主主義が根底から揺るぐ今のアメリカだけど、彼女が最高裁にいる限り大丈夫という気分になった。

この短評にはネタバレを含んでいます
森 直人

これで人気急上昇は夫マーティンか?

森 直人 評価: ★★★★★ ★★★★★

年齢を重ねるたびに若くなる、どんどんヒップな存在になる――。ノトーリアスB.I.G.ならぬRBGの破格の魅力は、彼女の若き日を描く『ビリーブ』の真面目さから逆照射するとさらによく判るかも。アイコンとしての派手さとは裏腹に、その姿勢は慎重で謙虚、柔軟で寛容だ。思想的に対立する保守派のスカリア判事ともオペラ仲間としてずっと仲良くしていた。それでもトランプには「あの詐欺師」と牙を剥くのだが!

また印象深いのは最強のサポーターだった夫のマーティン・ギンズバーグ。「1950年代の男性には珍しく私の知性に関心を示した」とRBGが語るように、先駆性では妻を上回る? 今こそ光輝く「いい男」のロールモデルだ。

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猿渡 由紀

最高に素敵な女性とその夫、その夫婦愛

猿渡 由紀 評価: ★★★★★ ★★★★★

ここ数年、アメリカでポップカルチャー現象にもなっているルース・ベイダー・ギンズバーグ。今年3月に86歳になる最高裁判事がなぜ若者の心をとらえ、“スーパーヒーロー”と呼ばれるのか、このドキュメンタリーを見ればわかるはず。男女不平等が当たり前だった世の中がここまで進化してきたのは、まさに彼女のおかげ。しかも、レディであることも忘れない彼女は、感情をあらわにすることもなく常に冷静を通した。妻、母としても充実した人生を送ってきたが、それができたのは、時代の先を行く最高の夫の力が大きい。彼も、彼女同様スーパーヒーロー。ふたりの愛の深さ、すばらしいパートナーシップぶりに、心から感動させられる。

この短評にはネタバレを含んでいます
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