描写も人物像もオタク精神を貫き、描くべきことを描ききっている

2019年7月4日 斉藤 博昭 アルキメデスの大戦 ★★★★★ ★★★★★

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アルキメデスの大戦

戦艦の巨大さを強調し、戦闘機の縦横無尽な動きを駆使するアクション場面に、山崎監督のメカマニアなこだわりと気合いが満ちあふれ、ひたすら圧倒される。このマニアックさは、菅田将暉が無双の主人公の数字オタク的側面、さらに物語の軸をなす戦艦のデザインにも広がり、やがてそのオタク精神が人間の抑えられない危険な本能も導いていく。こうした流れを、余計なエピソードを入れ込まず、太い本流のみで正々堂々と描ききったところが好印象。ここ数作、たまに(大人の事情もあるだろうが)ドラマが破綻していた監督の悪い癖も出ていない。しかも時代を超えて、現在への痛烈な警鐘にもなっている。戦争映画としての目的も見事にクリアした。

斉藤 博昭

斉藤 博昭

略歴:1963年神奈川県藤沢市生まれ。高校時代は映画研究部に所属。1997年よりフリーランスのライターとして映画誌、女性誌、情報誌、劇場パンフレット、映画サイトなどさまざまな媒体に映画レビュー、インタビュー記事を寄稿。得意ジャンルはアクション、ミュージカル。最も影響を受けているのはイギリス作品です。Yahoo!ニュースでコラムを随時更新中。

近況:LAの『フェアウェル』ルル・ワン監督、ロンドンの『カセットテープ・ダイアリーズ』グリンダ・チャーダ監督に、Skypeインタビュー。ともに外出規制などある中、前向きに明るく話してくれて、一刻も早い日常生活の復活を祈るのみ。

サイト: https://news.yahoo.co.jp/byline/saitohiroaki/

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